INTERPRETATION

第343回 「怒りっぽい人」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

sorehead 怒りっぽい人
He is now taking an anger management course because he doesn’t want to be one of the sorehead people! (彼は今、怒りのコントロールコースを受講しているよ。怒りっぽい人の一部になりたくないからだってさ!)

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「怒りっぽい人」をアメリカの口語英語でsoreheadと言います。この言葉はsore(痛い)とhead(頭)が組み合わさった単語で、転じて表記の意味になりました。ちなみに「痛い」はsore, ache, painなどがありますが、それぞれニュアンスが異なります。とりわけ強い痛みを表すのがpain、一方、「ズキズキする、ひりひりする」痛みがsoreとなります。acheはpainより軽めの痛みとのことですが、私としては「頭痛(headache)は十分ツライ痛みだわ」とツッコミを入れたくなります。

ところでheadでふと思い出したのが、ニュースで時々出てくるhammerhead shark。日本語では「シュモクザメ」のことです。頭の形がまさにハンマーであることからこの名前になっています。なお、日本語の漢字表記、私はてっきり「種目(しゅもく)鮫」だと思っていたのですが、正しくは「撞木(しゅもく)鮫」でした!撞木とは仏具の「鐘たたき」のことだったのですね。

最後にもう一つ。日本語の「怒る」には「おこる・いかる」両方の読み方があります。今から20年ほど前に私がロンドンのBBCで放送通訳の仕事を始めた際、「いかる」は口語過ぎるので使用を控えるようにと言われました。ただ、ことばは生き物であり、時代の変遷とともに変わっていきますよね。最近はどちらも頻繁に耳にするようになっています。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2024年米大統領選では大統領討論会、トランプ氏勝利宣言、ハリス氏敗北宣言、トランプ大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラム執筆にも従事。

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