INTERPRETATION

第342回 「壮大な計画」

柴原早苗

すぐ使える英語表現

moonshot 壮大な計画
That idea sounds like a moonshot to me but let’s go ahead and do it. (その考えは壮大な計画に聞こえるけれど、思い切って実行してみよう。)

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「壮大な計画」を英語でmoonshotと言います。文字通り訳せば「月へのロケット発射」のことで、そこから派生してこの意味になりました。「お金もかかり難しい計画。でも成功すれば意義は大きい」というニュアンスを含みます。

この単語が初めてお目見えしたのは1962年のこと。当時アメリカでは月探査計画が実行されており、ケネディ大統領が演説の中でこの言葉を使ったのでした。2016年には当時のバイデン大統領がCancer Moonshot(キャンサー・ムーンショット)というガン予防プロジェクトを打ち出しています。

ところで「月 (moon)」の語源は古英語のmonaで「月」のこと。一方、「モナ・リザ(Mona Lisa)」のmonaはイタリア語でmadamの意味です。ちなみに日本では月の模様は「うさぎ」ですが、中国ではガマガエルやカニだそう。アフリカではワニに、アラビア半島ではライオンになぞらえるとのことです。moonと言えばマイケル・ジャクソンのmoonwalkも懐かしいですよね。

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者、獨協大学および通訳スクール講師。上智大学卒業。ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2024年米大統領選では大統領討論会、トランプ氏勝利宣言、ハリス氏敗北宣言、トランプ大統領就任式などの同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラム執筆にも従事。

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