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錦秋の日光

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通訳・翻訳者リレーブログ

“日本”をもっとも感じる季節。
辺り一面、彩り鮮やかな葉に包まれる瞬間。
大気がひんやりし、ちょっと寂しく切なくて。
もっとも芸術的で、自然の美を実感する、雅なこの季節。

大好きな秋の頃——

日々同じ場所で、日々何かに追われていると、違う空間の中、身を置きたくなる。違う空気感を、味わいたくなる。
普段は目にすることのない風景や、口にすることのないものを、身体が無性に欲する。

秋を、全身に浴びたい…。
そんな思いに駆られ、先日行って参りました、錦秋の日光へ。

              ◇ ◇ ◇

まだまだ薄暗い朝5時。グレープフルーツ・ジュース、ヨーグルト、フルーツ、紅茶。いつもの朝食をとったのち、6時に自宅を出発。
とても肌寒い1日。

ひと気のない住宅街、すでに稼働し始めている工場地帯、田畑や木々に覆われた長閑な地域…。北へと向かう中、徐々に明らむ車窓の風景を、ボーッと眺めている内に、こちらもゆっくり目覚めていく。

沼田市周辺では、あちらこちらに、枝もたわわに実った林檎の木が。とっても素敵な光景。魅入ってしまう。
途中、農園経営の店に立ち寄り、数種試食したのち、自分好みの、硬くて甘酸っぱい種を購入。8個で1500円! 東京では絶対あり得ない値段。名前もステキ…だったのですが、いまこうして書きながら、その名をすっかり忘れていることに気づき、唖然〜(−−〆)

さてと、日光国立公園へ入る前に、ちょっとばかり寄り道。
吹き割の滝…です。
此処は、ナイアガラの滝のイッツ・ア・スモール・ワールド版。紅葉は、まだ三分くらい…か。黒くツルツルとした岩肌を伝って行く、心地好い森林浴。すると突然、目の前が割れて、そこに滝が出現。なんど見ても不思議な滝。訪れる季節により、まるで異なる顔を見せてくれる。
帰りの土産屋で、新鮮なマタタビの切り枝の束を購入。東京ではなかなか手に入らない、猫たちのお気に入り。

再び日光へ向けて—。

可憐な林檎と同じくらいの数、よく目にしたのが、黄色い柿の実。美しい〜。
あっ、そういえばウチのは、どうしたろう。バタバタした日々過ごしていると、近くにあるものさえ、ちゃんと見ていないことに、ふとした瞬間気づきます。これはいけない。今度ゆっくり腰を下ろし、周囲を眺める時間、ちゃんともうけないと…。

この辺では、黄色くなった葉が、冷たい風に舞っていて、何処もバタバタと、冬支度を始めている模様。

此処でちらちら見えてきた、白根山。わたしの好きな、岩々とした山。山頂には、雪が! 今年御初。うっとり。
途中、柔らかな太陽の光りに照らされた、白樺の幹の美しさたるや。その下にふと目を移すと、そこにも白い雪が、薄っすら地面を覆っていました。

丸沼湖、菅沼。男体山、金精峠、湯野湖、湯の滝、竜頭の滝、太郎山。

こういうところは、やはり車ではなく、ひとりバイクに跨り、風を切りながら、気の赴くままに、ゆったり流したいもの。その美しい自然と空気を、全身に浴びるのは、もの凄く心地好いことに違いない〜(^−^)

さて、いよいよ戦場が原です。
自然の生み出した、とても独特な空間。
それだけに、あああ、残念。平日にも拘わらず、この人・人・人! トイレだけでも、30分近くかかり、ちょっとグッタリ。
ところで、この地名。史上の出来事に由来するのではなく、神話に出てくるものなのだとか。初耳。今度ゆっくり調べねば…。

そうしてすぐ向こう側には、中禅寺湖。
“あっ、ここは、いいゾ!”。見えた途端、そう直感。
それほど、期待はしていなかったのですが…。確かに観光地で、周辺にはホテルや土産屋が乱立し、湖には、夥しい数の白鳥&アヒル・ボートが、プカプカやっていましたが(笑)。でも、騒々しさはなく、湖もほどよい大きさで、周囲の山々も穏やかで柔らかくて。とても優しい感じ。
そうして木々が、ありとあらゆる色に染まっていて。まさに見頃。
黄昏時の湖面が、キラキラと輝いていて。とても幻想的な光景。

次回は湖畔のホテルに連泊し、時間と共に変わりゆくこの湖を、夕焼け&朝焼けに染まるその様子を、ゆっくり眺めてみたい…♪

近くの食事処からは、炉辺で串焼きされたイワナの香りが、辺りに漂い。この腹が思いきり反応するも、タイミング合わず。これまた次回に持ち越しに。
こういう“持ち越しもの”は、たくさんあった方がいい。その方がきっとまた、この地に戻って来られるから〜(^_^)v

さて、此処に行かずして、日光に来た意味はない。
…と言うわけで、数分のところにある、華厳の滝へ。
まず驚いたのは、真正面まで降りて行くエレベーターがあり、それが往復530円かかること。昔はグルグル歩いて降りたような。わたしの記憶が正しければ…。
で、肝心の滝。
うーん、整っていて、まぁ美しいのですが、でも、ただそれだけ。“いいオトコだけど、だから何か?”…みたいな(・_・;) とにかく、あまり強い印象は受けず。
帰りがけに頂いた、けんちん汁の美味しかったこと! 温まりました〜。

余談ですが、そのエレベーターの前で、ある国の人たちが、団体で大声出し列に割り込み、周囲は唖然。
バブリーなあの時代、この国の人たちがまだまだ元気で、世界中を団体旅行していたあの頃。わたしたちはそれぞれの国で、礼儀正しく振る舞っていただろうか。顰蹙を買うようなこと、していなかったかな。海外へ行ったら、自分たちは“そこにお邪魔している者”という意識を忘れずに、郷に入れば…。謙虚な態度で旅したいもの。

               ◇ ◇ ◇

帰り道、埼玉の町を照らす月が、迫り来るような大きさで、真っ赤に揺らいでいて。ゾクゾクするような、魂奪われるようなその御姿に、圧倒されました。

ああ、それにしても…
言葉とは、それが生まれ育まれた、それぞれの地域の文化をも背負っている…のですよね。あの空色には、あの木々の装いには、あの山の彩りには…。
秋の色合いを表わす日本語の、なんとも豊かで美しいこと。
今日1日を振り返り、それぞれの光景

寄り添う言葉を、頭の中で紡ぎ出しながら、その美しさを、改めて実感しました。

日本の秋は、本当に素敵です……。

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記事を書いた人

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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