BLOG&NEWS

NZのお葬式

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 今日は、NZで初めてのお葬式に行ってきました。夫と共通の知り合いであるRobinaの一番下の娘さん、Maliが34歳で亡くなったのです。Maliは障害を持って生まれ、体が子供のサイズで、しゃべることができませんでしたが、音楽が大好きでした。
 会場であるチャペルに着くと、Robinaが私をぎゅっとハグして、「今日はFuneralじゃなくて、Partyなの。これはMaliの意思なのよ」と教えてくれました。
 そして、式が始まると、意味が分かりました。音楽好きだったMaliの生涯を祝福するために、まずかわいらしいドレスを着た子供たちが「キラキラ星」を歌ったり、ダンスを披露したのです。続いて、Maliが通っていた音楽セラピーの講師たちが歌やピアノ演奏をしました。そして、Maliが好きだった歌をみんなで歌いました。途中、聖書の一節の朗読やPriestのお話もありましたが、基本的に宗教色はほとんどなく、Maliへの愛情あふれる、本当にPartyという言葉がふさわしいお別れ会でした。
 式の後にお棺が隣接の墓地に運ばれ、最後のお別れをして、納棺されました。ぽかぽかとした晴天で、その真っ青な空の色がなんだか心に浸みました。
 NZのお葬式は、日本のように香典やら(持っていっても花束)、服装(色にも特にこだわりはない。GパンでもOK)やら、席順(**家の長男、とか、長男の嫁とか、そういった序列はない)やら、そういった決まり事にしばられません。式の司会も、Maliのお姉さんがされていて、あたたかい感じがしました。
 私も死んだら、こういうシンプルなお別れ会がいいなあ。宗教を聞かれたら、「仏教徒」と答えるようにはしているけれど(お正月には神社へ初詣、お葬式は仏式で、結婚式は神式で、といういわゆる典型的な日本人です)、お経になじみはないし、お墓にもこだわりはないので、こうやってお別れ会をしてもらって、さらに、骨はどこか迷惑にならないところにまいてもらう、というのが理想です。
 でも、このような内容を以前に母親に言ったら、「死んだらもう分からないのだから、生きている人が楽なやり方にした方がいい。いろいろ注文つけたら、手間がかかる」と指摘され、それもそうね、と思ったり。

Written by

記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

END