BLOG&NEWS

Jeffersonの手なる独立宣言@NYPL

昼顔

通訳・翻訳者リレーブログ

今日は朝からマンハッタン内の車道はどこも混雑。都会の喧騒どころか、いらだつクラクションの音がいつもよりも激しすぎてうるさいこと、この上ないんです。理由は、本日、市内で開催されるNAACP (National Association for the Advancement of Colored People)の大会にオバマ大統領が招待されているため。公民権運動が全く確立されていなかった100年前に設立された歴史あるNAACP。正式名称を改めてみるとcoloredという単語が使われているのに驚きます。今だったらこの単語を使えないし、使わないですもの。

また、現在、国内ニュースで一番の話題はヒスパニック系の女性としては初めて大統領から推薦された最高裁裁判官候補のSonia Sotomayor(現連邦高裁裁判官)。米上院司法委員会の彼女に対する公聴会が連日生中継で放送されています。なんだか、米国における有色人種の歴史を改めて感じずにはいられません。

さて、以前にも書いたニューヨーク公立図書館(NYPL)。7月4日の独立記念日も無事に終わり、以前にも紹介したThomas Jefferson手稿の独立宣言に関する特別展示を見学しに行きました。実際の文書を見ると、特に達筆でもなく、むしろ男性の手なるものとは思えないほど小さく癖のない字ということが意外でした。

草稿策定の7月1日から批准される4日まで、加筆・訂正が幾度となく繰り返され、特に奴隷制度を非難する長文は、幾つかの州から批准への譲歩を得るために削除されました。大義のために悩んだ末、譲歩しちゃったんですね、きっと。その変更部分に下線部が引かれているので、その当時に想いを馳せながらJeffersonの手稿を読むと、議会の様子が目に浮かぶようだから面白いです。

これは我が家の壁に飾られている独立宣言のコピー。写真撮影はもちろん禁止されているので、こちらで雰囲気だけお楽しみくださいませ。

また今回、面白い情報を仕入れました。NYPLの地上階は子供たち専用の図書館に最近改装されましたが、ここに正真正銘本物の「Winne-the-Pooh」が今春から展示されています。

1921年、Christopher Robin Milneが1歳の誕生日を迎えたときに父親からの誕生日プレゼントがこのくまのぬいぐるみだったとのこと。その後、誕生日ごとに、Poohの仲間たちが加わり、数年後、父と作家であるその友人が物語を作って出版して、その後、ディズニー映画の影響もあり、一躍世界の人気者になりました。

寄る年波にはやはり勝てないのか?すっかりくたびれていますが、やはり人気者だけあって、特別室の中のガラス・ケースに鎮座していらっしゃいます。対象の子供たちよりもむしろ大人の方がこの人気者たちを熱心に見ているので、展示場所を間違えているみたいと失笑してしまいました。

Written by

記事を書いた人

昼顔

外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。

END