INTERPRETATION

第24回 It’s personal

木内裕也

Bazinga!

 今週の表現は”it’s personal.” 「それは個人的なことです。」と訳すと、何か個人的な情報を聞かれて(年齢、体重など)、答えたくない時に言う表現かと思われるかもしれません。実際、”That’s a personal question. I prefer not to answer it.”と言うことも可能です。しかしこれは「個人的に関係のある問題です」という意味でも使えます。

 

 私は2005年から毎年、ボストンマラソンの医療チームでボランティアをしています。アメリカの救急救命士の資格を持っているので、ランナーや観衆の手当てをしています。ご存知の通り、今年のレースでは爆破事件が起こり、医療チームも過去にない経験をしました。その数日後にボストンで行われた式典で、オバマ大統領が爆破事件についてThis is personalと言いました。彼はハワイで生まれ、シカゴで上院議員になり、ワシントンDCに今は住んでいますが、ハーバードの卒業生です。ボストンからはチャールズ川を挟んですぐのところにMITがあり、そこから少し北西に行けばハーバードです。ですから大統領にとっても学生時代に多くの時間を過ごしたと言うことで、Personalという表現を使い、自分にとって大統領としてだけではなく、個人的にも重要なことである、と言いました。

 またIt’s not personal.というのは、例えば上司が部下をクビにするときに言う言葉でもあります。個人的な理由で首を切るわけではない、という意味です。

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木内裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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