INTERPRETATION

Grilling

木内 裕也

Written from the mitten

 日本でもゴールデンウィークや夏休みになると川辺でバーベキューを楽しむ人を多く見かけます。多くのアメリカの家庭には日本で見るよりも大きなグリルがあって、5月くらいからはバーベキューを楽しむ姿をよく見ます。週末に行楽地で楽しむだけではなく、昼食や夕食でバーベキューを楽しんでいます。私も先日、小さなものですがグリルを購入しました。これまでにバーベキューに行ったことはありますが、自分のグリルを持つのは初めて。友人に「グリルでも買おうかと思うんだ」と話をしたところ、「色々な料理ができて楽しいんじゃない」ということ。グリルには大きくGasタイプとCharcoalタイプがあります。私は2人〜3人用の小さなCharcoalグリルを買いました。15ドル程度なので金額としては値が張るものではありません。しかし色々手入れをしたり、わざわざ準備をしたりするのが面倒くさいのでは、と思ってこれまで買うことはありませんでした。しかし「1度凝り始めるとくせになるよ」という友人の話の通り、購入して約1ヶ月、雨の降らない日は昼食や夕食に必ず使っています。

 これまで鳥の手羽、ハンバーグ、ステーキ、鮭など基本的な料理を一通り試してみました。ガスのグリルと違って温度調整が難しく、時に手羽先の皮ばかりが焦げて、肉に日が通りきっていないことなどがありました。友人の父親がガスのグリルですが愛用していて、頻繁に使っているとのとこで、色々アドバイスももらいました。Direct heat、Indirect heatなど、肉の種類によって使い分けたり、キッチンに備え付けのオーブンよりかなり複雑です。火をつけて暖めるのに10分から15分掛かり、調理後の片付けに10分程度かかります。しかしやはり癖になるもの。絶妙の火加減が難しいだけに、一層はまるのかもしれません。

 先週の投稿で卒業パーティーのことを書きましたが、裏庭にあるガスグリルで少し料理をしました。写真にあるのはホットドッグなので、非常に簡単ですが(ただ暖めれば十分なので)、「表面にグリルの跡が少し残るくらいがいい」とか「表面が真っ黒になるくらいがいい」といったリクエストに答えるのは大変でした。

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 非常に面白いのは、自己流のソースに肉や魚を合せて料理をしたりすることの多いGrillingでは、各自の好みやこだわりがあること。私はただ肉や魚を日に掛けるだけですが、「AとBとCを混ぜて1日寝かせておくと美味しい」などと、非常に凝ったソースを作る人も多くいます。私の友人の父親も特別のソースを作ってバーベキューをするので、たまに残りをもらって食べると非常に美味しいです。その様なソース作りだけでも1時間くらいの会話で盛り上がるのが非常に興味深いです。かつてFace offという映画がありましたが、Grill-offという表現もあります。これはどちらのグリル料理が美味しいか、一緒に調理して競うイベントです。基本的にはどちらの人が勝つかより、友達通しで集まって自慢の腕を披露し、他の友達に料理を楽しんでもらうのが主たる目的です。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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