INTERPRETATION

LA旅行

木内 裕也

Written from the mitten

 先日3泊4日でロサンゼルスに行く機会がありました。全く専門分野は別ですがミシガン州立大学の教授で、もともとはサッカーの審判を通して知り合ったChicoという友人がいます。家も近いですし、毎朝通うコーヒー屋も同じとあり、非常に仲良くしています。その彼と、毎年12月に秋学期の授業が終わったらロサンゼルスに遊びに行く、というのを去年から始めました。昨年に比べて今年は秋学期の始まりが1週間遅れたので、私たちの旅行も1週間遅れでした。去年は現地のサッカー場を見学に行ったり、ハリウッドやビバリーヒルズに行ったり、ワッツと呼ばれる地域に出向いたり(これは少し私たち2人の研究内容と関連しています)しました。

 2泊しかできなかった昨年と違い、今年は3泊できたので少し時間に余裕がありました。初日は午前中に私が授業を教えなければならず(授業最終日でした)、午後になってロサンゼルスに移動しました。時差はあるものの、ホテルに着いたのは午後8時。彼も私もアメリカ国内の旅行の場合は時差に関わらず東部時間で生活することにしています。2人とも国内の移動が多いので、こうすることによって旅行が終わってから時差の調整に苦労する必要がありません。ですからホテルに到着したのが午後8時とはいえ、私たちにとっては午後11時と同じ。その日はすぐに就寝しました。

 翌日は朝3時に起床(東部時間だと朝6時です)。まずはロサンゼルスに住む知り合いに会いに行きました。Chicoの研究分野には犯罪を犯した未成年者に関する法規制のあり方が含まれています。カリフォルニアでは未成年者も死刑になることがあります。執行は成人になるまで待つことにはなっていますが。現地であったのは15歳のときに致死罪で執行猶予なしの無期懲役刑を受けた32歳の人でした。彼は今年の1月に16年間を刑務所で過ごした後にParoleで出所しました。カリフォルニア州には同じ境遇の人がたくさんいますが、カリフォルニア州の外に出ることを認められているのは(正式な申請をして許可されなければなりませんが)彼1人だけです。ワシントンDCやシカゴなどで行われる会議に参加して、未成年犯罪に関する講義や講演を行っています。また同時に大学に通って勉強もしています。その彼がつい最近になって、許可を取らなくても自分の住む郡の外に出てよいと認められたということ。そこで彼と彼のガールフレンドを誘って、レーガン大統領図書館に行ってきました。大統領図書館の中で1位、2位を争う人気の図書館で、館内には前代の大統領専用機(実物)が展示され、中に入ることもできます。とても大きな図書館で、見学するだけで簡単に数時間を過ごすことができました。

 3日目もやはり3時起床。ホテルで朝食サービスが始まる6時まで2人とも仕事を行いました。その後はアトランタに住む友人がロサンゼルスで講演をするという情報をつかみ、2人でそれを聞きに行ってきました。彼には知らせずに向ったので、とても驚いていました。またロサンゼルスの近くにあるPasadenaという街に行ったり、ローズボールの行われるフットボール場を見学に行ったりと朝食前の数時間と、ホテルに戻った後の数時間以外は1日中リラックスして過ごしました。

 帰宅して数日ですが、すでに「来年はどこに行こうか」と話をしています。特に何をするわけでもないですが、学期末の1つの楽しみです。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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