INTERPRETATION

時間節約3つのノウハウ

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 最近は通訳や翻訳を始め、どのような仕事も大半がメールでのやりとりです。担当者と一度も会わず、電話で声も聞かずに一つのプロジェクトが完了することもあります。たまたまこのコラムを見てテンナイン経由で私に連絡をくださり、ある刊行物の執筆を依頼されたこともありました。ネットやメールの利便性というのは、このように大きく私たちの仕事に貢献しています。

 しかし、ややもするとネットやメールの閲覧・処理だけであっという間に時間が過ぎてしまいます。私の場合、なるべく「メールは朝と夕方の2回のみ」と決めてはいるものの、やはり日中にも大切な連絡がメールで寄せられますので、実際には頻繁にチェックすることになります。ただ、チェックするついでにインターネットのニュースをのぞいたり、そこからリンクをたどって別のサイトへ行ったりという具合に、「寄り道」をしてしまうことも少なくありません。気がつけば、本来やるべき課題がどんどん後ろ倒しになることもあるのです。そこで今回は忙しいみなさんが実行できる時間節約について、3つのノウハウをお話しましょう。

 (1)プロに頼む

たとえばアイロンがけの場合、自分でかけるよりもクリーニング店に出す方が仕上がりでも時間面でも助かるというのであれば、迷わず出します。確かにお金はかかりますが、自分がやるよりも高品質の結果が約束されているのであれば、自分はそのお金で時間を買うことになるのです。もっとも、「アイロンがけが気分転換になる」というのならば、それも大事なリラックス法。私の場合、整理整頓の片づけは大好きなので自分でやりますが、エアコンのフィルター掃除などは業者に頼んでいます。

 (2)直感を信じる

本当に忙しいときは買い物時間も惜しく感じられます。そんなとき私は「直感で買う」ことを心がけています。たとえばスーパーで買い物リストを見ながら食材を買う際にはあれこれ比較せず、目に入ってきたものをかごに入れるのです。例としてひじきを買う場合、棚には「国産」「伊勢産」など数種類が並んでいます。そのようなときもいちいちパッケージを裏返したり価格を比べたりせず、最初に目が行った商品を選びます。

これはネットショップでの買い物も同じ。複数の商品を比較しているとそれだけで時間がたってしまいますので、急いでいるときは最初に直感で選んだものでよしとします。

 (3)中断してもよい仕事を複数同時進行で

これは忙しい朝に使えます。たとえばわが家の場合、朝食を食べ終えるのは大人が先で、子どもたちは後。そのようなときに大人のお皿から洗い始めると、子どもが食べ終えるのをやきもきしながら待つことになったり、洗い終えてからまた後に子どもたちのお皿だけ洗ったりと二度手間になってしまいます。よって、私は全員分のお皿がそろってから一気に洗うようにしています。一方、子どもたちが食べている間は洗面所が空いていますので、洗濯物を干します。朝食を食べ終わった子どもたちが洗面所にやって来たら、洗濯物干しは中断して台所へ戻り、お皿洗いです。要は「今、空いている部屋でできること」をやりながら、時間を有効に使うということです。

 いかがでしたか?特に上記の(3)は仕事の準備にも使えます。たとえば通訳業務の予習をする際、「まとまった時間ができてから」と思ってもなかなかそんな時間はやってきませんが、やるべきことを細分化して、空いている時間で少しずつ取り組んでみると、最終的には早く終えることができます。ぜひ参考になさってくださいね。

 

(2010年7月19日)

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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