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中国語通訳者・翻訳者インタビュー ここでは第一線でご活躍されている中国語の通訳者・翻訳者の生の声をご紹介します

Vol.7 人は心に思い描いているとおりの人間になれる

【プロフィール】
安藤チャンめぐみさん Megumi Chang Ando
中国上海出身。中国華東師範大学理学部化学専攻 入学。卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程入学、1993年に卒業。その後、外資系製薬会社に入社し、マーケティング企画部、海外営業部に所属する。退職後、フェローアカデミー綜合翻訳科フリーランスコースとISS通訳研修センター英語専修コース(上級)を修了。2004年にフリーランス通訳翻訳となり、翌年3月にマーブルズ株式会社を設立。日中友好交流関係に貢献するビジネスを目指し、通訳翻訳の枠にとらわれない日中間のビジネスを開拓中。

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Q 安藤さんが語学と深くかかわるようになったきっかけを教えてください。
? 中国の大学で、化学を専攻していました。卒業して更に研究を続けるためにアメリカの大学院へ行くつもりでしたが、日本のほうが色々な手続きもスムーズだったので東京大学の大学院へ入学し、そこで食物ホルモン(発見できるとノーベル賞を貰えるような研究!)の研究をしていました。もともと、アメリカの大学院へ行くつもりだったので英語は勉強していましたが、日本語はあまりしていませんでした。ですから、大学院へ入学する前に3ヶ月間日本語学校へ通いました。
キャリアを積みたかったので卒業後は外資系の製薬会社に入社し、マーケティング企画部、海外営業部へ配属になりました。ここでの仕事は環境にも恵まれただけでなく仕事自体も本当に充実していました。
産休後、復帰したのですが、子育てをしながらの総合職復帰は肉体的にかなりの負担を強いられましたので「子育てしながら、ずっと続けていける仕事は何だろう」と考えた結果「語学の仕事」だと思ったのです。これが、私にとって語学と深くかかわっていく最初のきっかけでした。

Q いつごろから翻訳通訳を職業にしようと思われたのですか。
? 幸いにも、時間が少しありましたのでまずは翻訳学校のフリーランスのコースへ通い日本語のスキルアップを図りました。次に通訳の学校に通い、そこでは英語のスキルアップを図りましたね。その後、IT系の会社で輸出担当として2年ほど勤め、2004年からフリーランスとして通訳翻訳の仕事を始めました。フリーになって間もなく、友人の紹介でテレビ局での中日通訳の仕事を頼まれました。それ以来、各局の報道番組、外報部などの中国ニュースの通訳翻訳を担当するようになり、通訳翻訳以外にも編集、ロケ取材と幅広く対応するまでになりました。もうその頃にはこの仕事が楽しいだけでなく、通訳翻訳の魅力や奥深さにどんどん惹かれていきましたね。

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Q 通訳翻訳の魅力をもう少し具体的にお話しいただけますか。
? 私にとって通訳翻訳の魅力は、三つあります。
まず、一つ目は毎回新しい発見があり、その発見から学びがあり、その学びからチャレンジしようという気持ちが生まれることです。同じ仕事は二度ないのが通訳の仕事です。つまり、毎回初心に立ち返って仕事に臨むのですが、毎回本当に新しい気づきがあり、そこから学ぶことがたくさんあります。
二つ目は、色々な能力が鍛えられることです。それは、即戦力、リサーチ力、臨機応変に対応する力、判断力、そしてコミュニケーション力です。他にも色々な能力が鍛えられているはずですが(笑)通訳をしている現場では本当に色々なことが起こり、スピーカーも様々ですので毎回自分の能力を全部使って仕事をしていますが、それが鍛えられていくことが本当に楽しいです。
三つ目は、言葉の奥深さを知ることができるところです。通訳をするということは、スピーカーの口から出る言葉を単に訳すのでは、もちろんありません。その人の表情、口調、目の動きなどをきちんと見て感じ取ったことも含めてその人の言葉を通訳します。それが正確に相手に伝わった時に、言葉の力の大切さ、奥深さを本当に思い知ります。まさにその瞬間は通訳の大きな魅力です。

Q通訳翻訳のお仕事をされながら、会社も設立されていますが、そのお話しもお伺いしてよろしいでしょうか。

? はい。自分がフリーランスで通訳翻訳を始めてからたくさんのお仕事の依頼をいただくようになったと同時に、お断りしなければいけない時も出てきましたので全てをきちんとビジネスとして成り立たせたい!と思い、2005年にマーブルズ株式会社を設立しました。同じような仕事をしている私の周りにいる中国の人たちとも色々な繋がりを持ちながら、日中の架け橋になれるような、また架け橋として貢献できる何かを通訳翻訳の枠に捉われずに、会社としてやっていくことを目指しています。それにはまず、草の根レベルですが、日本人と中国人がお互いを知ることから始めなければいけないと思っています。会社を設立してまだ年数が浅いですが、起業セミナーにも積極的に参加して色々な事を学び、会社を通して日本人と中国人が解り合い、それが大きな何かに育っていけば国同士のレベルでいい友好関係が絶対に作れるはずです。

Q そんな安藤さんの今後の目標や夢を是非お聞かせください。
? 今お話ししたことの続きになりますが、自分が女性で仕事をしてきていますので、それを活かして、日本のキャリアウーマンと中国のキャリアウーマンが直接交流を持てる場や機会を作っていきたいですね。そして、そこでお互いがコミュニケーションをとり、理解し始め、そしてお互いを深く解っていければ、と思っています。これは絶対に実現したい目標ですね。そして、もう一つの目標ですが、それはいつか中国へ何かの形で貢献、恩返しのような気持ちでしょうか、それがしたいです。
現在、在日中国人は帰化した人も含めて約80万人います。一人一人は大海の一滴のような小さな存在です。でも、小さな存在だからと言って自分一人が毎日何かをがんばってどうなる?と思うのではなく、 − 今自分がやっている日々の積み重ねが10年後、20年後の自分を作ると思って、私はそう思って毎日を生きていますが、− そういう気持ちが私一人だけでなく在日中国人みんながそう思っていけば大海の一滴は必ず"大海"になります。そしてその"大海"は日本から中国へ流れ、大きな力となって中国へ何らかの貢献や恩返しができるのです。また、私たちはそうしなければいけないのです。
私はイギリスの作家で哲学者のJames Allenの著書「As a Man Thinketh」(邦題「原因と結果の法則」)という本が好きで、その中に出てくる言葉「人は心に思い描いているとおりの人間になれる」は特に大好きなんです。ただ、好きなだけではなく、私はその言葉は実現できることだと思っています。人は絶対に自分が思っているような人間になることができます。
ですから、大海の一滴であっても、今後のなりたい自分を描いて日々努力すれば必ず大海になれます。

Q 最後に翻訳者・通訳者を目指している方へ是非アドバイスをお願いします。
? はい。アドバイスと言いますか、、、、話が少しそれますが実は私篤姫が大好きなんです。篤姫は「女の道は一本道!」とよく言っていたそうなのですが(笑)
通訳翻訳者の道も「一本道」だと私は思います。「なる!」と決めたら覚悟を持って通翻訳者の道を進むだけです。そして、「決して努力を惜しまないこと」です。私は翻訳通訳の未来は明るいと思っていますので是非がんばってください。

編集後記
「バランスのいい方」だと強く思いました!短い時間でのインタビューでしたが、四川大地震、中国という国の光と影、日曜学校でのボランティア、大好きな篤姫など硬軟織り交ぜて本当にたくさんお話しいただいたのですが、どれも全て「安藤イズム」が注入されていてエネルギッシュだけど折り目正しく、ユーモアもありました。チャーミングな人とはこういう人のことをきっと言うのでしょうね。人として女性として本当にお手本なります!ありがとうございました。


中国語通訳者・翻訳者インタビュー


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