ENGLISH LEARNING

第39回 本当に英語が身に付くシャドーイングのやり方!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

皆様、こんにちは。

5月29日に開催されたTalent Searchの時の動画が公開中と告知させていただきましたが、85名の方にコメントを頂き、合計3,716回見ていただくことができました。お会いした方からもとてもありがたい励ましの言葉を頂戴しました。もちろんTEDx東京の方がよかったという声も多かったですが…。いずれにしても、少しでも同時通訳の仕事について理解が深まれば本望です。

http://talentsearch.ted.com/video/Yayoi-Oguma-Behind-the-scenes-o;TEDTokyo

ご覧いただいた方、コメントくださった方、この場をお借りしてお礼申し上げます。

さて、今回も皆様にお知らせがあります。

半年でTOEICが500点アップした事がきっかけで英会話の主任講師になり、その後通訳としてデビューできた経緯からもTOEICは私にとって大切な人生の転換期であり、その後の自分の人生の成功へのGatewayでありました。

しかし、900点超えても、思ったように話せないなど実践的な英語と試験対策のための英語の間にある乖離にも悩まされました。

そこで、是非、その両方を得られる手段がないかと模索し、過去にはアプリなどを作ったりもしましたが、今回はセミナーとTOEIC講座の監修をさせていただくことになりました。

セミナーは題して

「TOEIC これならスコアも英語実践力もすぐ、ドーンとアップ、でも楽しい!」

現場では英語を使えるのに点数があがらない、点数はあがったけれど、思うように使えないという問題を目から鱗の勉強法/モチベーションアップ法で解決していきます。これからTOEICを受験する入門者からTOEICを教える立場の方にも目から鱗の有益な情報を提供しますので是非、いらしてください。

http://cul.7cn.co.jp/programs/program_616630.html

さて、前回のブログでは、発音を改善するために私が実際に使った方法で、シャドーイング、分解、分析、録音、反復というやり方がよいということをお伝えいたしました。

先週英語セッションをさせていただいた方のシャドーイングを聞いた時に、もしかしたら皆さん私のやっているシャドーイングと皆さんがやっているシャドーイングは全然違うのかもしれないと思うことがありました。

そこで今回は身に付くシャドーイングについて詳しく解説していきたいと思います。

最初にシャドーイングという言葉は影という意味ですから影武者のように原文について聞いたままを声に出す事です。

ところがこのシャドーイングを効果的に行えてないことが多々あるようなのです。

腹筋を鍛えるのに勢いを使ってしまって、筋肉を鍛えきれてないまま、ただ回数だけ重ねるのと同じような問題です。

失敗パターンからお伝えいたします。

・作業になってしまっている。

・難しい教材を使いすぎてついていけてない。

・簡単な教材すぎてトレーニングになっていない。

・声が小さすぎる。

自分がどのパターンに陥ってしまっているかは必ず録音して確認しましょう。

まず一つ目の作業になってしまっている問題から改善していきましょう。

作業になってしまっているというのはただ聞こえた音をそのまま言っているつもりになってしまっているという状態という意味です。

自分でできているかどうかわからない場合はこの問題に陥っている可能性が大です。

録音して、原文と比較してみましょう。

プレゼンテーションZENで有名なガーレイノルズさんも「録画するだけでテニスがうまくなった」とおっしゃっていました。

私も自分のダンスを録画してへこみましたが、でも、何ができてないのか?何が先生と違うのかがよくわかりました。

シャドーイングでも同じです。

録音で自分のパフォーマンスがどうなっているのかを客観的に分析せず、やりっぱなしにしても、ただただ時間だけがすぎていってしまい時間に見合った成果は得られません。

ではそれぞれの問題点に対する解決策にどんなものがあるかをお伝えしましょう。

・作業になってしまっている。

ただ聞いたものを繰り返すだけでは効果は薄いのです。

もっと短時間で効果をあげていくためにできることはまずは声を大きく、そしてできるだけものまねをするようにしましょう。声の調子、抑揚、間そのすべてを全くそっくりそのまま、まねてみましょう。

自分がまるでその人になったように、気持ちまで同調させ、感情も動かせれば尚一層の効果が高まります。

・難しい教材を使いすぎてついていけてない。

ついていけてなければ当然上記のようななりきりシャドーイングもできないでしょうから、難しすぎればその教材はちょっと先までとっておいて、もう少し楽な教材に切り替えましょう。あるいは、もしその教材を使いたい場合は、日本語訳がついていればそれを先に読んで内容を理解しましょう。その後に、トランスクリプションがあれば、それを音読し、キーワードを日英確認しましょう。その後に、シャドーイングしましょう。そうすれば、発音、抑揚、間などに集中してしっかりと身につけることができます。

・簡単な教材すぎてトレーニングになっていない。

もし最初からすべてを完璧にできてしまうというぐらいだとしたら、簡単すぎるでしょう。この場合、少し難易度をあげていく必要があります。二倍速にする、あるいは、暗唱できるようにするというように負荷を増やしていくこともできます。この場合は、リスニングを強化するというよりもスピーキングや発音をよくすることになります。できれば、簡単すぎる場合はもう一つ難しい教材に変えていきましょう。これまで英会話教材で練習していたのであれば、英語学習のために録音された教材ではなくて、VOAやTEDなど字幕付きの生教材を使いましょう。生の教材だからこそ聞ける冗談の部分がもごもご小声で早口になっていて、文法的にはあってないけれどでも、話し言葉としては使われる表現にも触れることができるので、より高度ですが、実際の場でも理解できる確率があがると言えます。

・自分の声が小さすぎる。

シャドーイングする自分の声が小さすぎると十分な練習になりません。もちろん電車の中、歩いている時などは大きい声では周りの迷惑になるかもしれませんから、小さい声でも仕方ありません。ですが、自宅や自習室で練習する時には是非、録音した後はっきり聞き取れるぐらい声を大きくしてください。そうすることで、より体で英語を習得することができるのです。歌を練習する時も小さい声で歌っているばかりでは本番ステージにたって歌うことはできないですよね。同じようなことです。小さい声ではどう間違えているのかも理解するのは難しいでしょう。

今回はシャドーイングの極意、効果的に行うための秘訣について話をしてきました。いかがでしたか?

次回もお楽しみに。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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