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仕事が出来るってどういうこと?

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

私は2つのエージェントでコーディネーターとして11年間仕事をしました。今振り返ってみても、本当毎日朝から夜遅くまで頑張って仕事をしてきたなと思います。

特に最後の2年間ぐらいは、本当によく仕事をしました。お客様からのご依頼は一本も落としたくないという気持で、必死に仕事をしていました。とにかくよく稼ぐコーディネーターでした。だからこそ、自分自身にも「仕事が出来る」と自信みたいなものもありました。ただ今振り返ってみると、本当に経営者はそんな私の働き方を望んでいたのだろうか?とふと考えました。

「工藤さん、そんなにたくさん稼がなくてもいいよ」と一度言われたことがあります。その時は「通訳を頼みたいというクライアントがいて、仕事をしたいという通訳者がいて、だったら全ての仕事を調整したい、それが当然なんじゃないか」と思っていました。売上をあげることが、会社に対する最大の貢献だし、それで評価されると思っていました。

ただその時の経営者の考えは違っていたのだと、ずっと後になって気づきました。売上よりも他の社員との協調性を優先していたのかも知れませんし、期末に払う税金の心配をしていたのかも知れません。そんなに稼がなくていいというのは、本音だったのだと思います。

「完璧に仕事をしている」
とどんなに自分でそう思っていても、実際に完璧に仕事をしていたとしても、評価者が本当にそれを望んでいるのか、考えなければなりません

本当に仕事が出来て、上司から評価される人というのは、評価者が望む結果をアウトプットできることです。

あの当時の社長の言葉が、同じ立場になってやっと理解できました。ただ私は今でも依頼は一件も落としたくないという考えで仕事しています。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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