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モーツアルトだって譜面は読める

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

「運も実力のうち」という言葉があります。

昔は本当にそうなのなかと思っていました。やっぱり運に恵まれる人とそうでない人がいるんじゃないかと。

でもその頃の私は「運」だけを見ていたのだと、ずっと後になって気づきました。

なぜその人のところに「運」が来たのか?
なぜその人は「チャンス」に恵まれたのか?

それが大事なんだと気づいて、自分も「運がある」と言われている人の行動を真似ようと思いました。

それから自分にもやっと「運」が巡ってくるようになったと思います。

「英語が会社の公用語になる日」の中でディビットの台詞で私の好きな言葉があります。
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「天才と呼ばれたモーツアルトだって、楽譜は読める。基礎がなければ音楽だってアートだって生まれないように、基礎がなければビジネスは何も始まらない」

「英語が会社の公用語になる日」本文P197より
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本の中には私の好きな台詞がいっぱい詰まっているのですが、その中でもこの台詞はベスト3に入っています。

私は運のあると言われている人を観察しているうちに、すごく基礎がしっかりしている人が多いということに気づきました。

実力のある通訳者もそうだし、
尊敬できる経営者もそうだし、

共通点はいくつもありました。

1)思い立ったらすぐに行動する
2)人の意見に耳を傾け、すぐに取り入れる
3)明るくてオープンマインド
4)何にでも興味を持つ
5)相手のために時間を割く
6)実力がある程頭が低い

と、かきだしたら100以上書けますが、全員に共通するのは、「基礎力」があることでした。

会社を経営していく上で基礎力ってなんだろうと考えました。
それは営業力なのではないかなと思います。

どんなにいいサービスでも、どんなにいい会社でも社会に知ってもらわなければ意味がない。世の中いっぱいいいサービスがあっても、告知できないために埋もれているサービスがたくさんあります。

会社を作って最初にやったことは、飛込み営業でした。
くる日もくる日も1ヶ月間、手づくりのパンフレットを鞄にいっぱい詰め込んで飛込営業していました。その中で、度胸と、お客様のニーズを知るとこができました。どんな通訳者が現場で求められているのか肌で感じました。

そしてほぼ毎日通訳者とランチをしました。腹を割って話すと登録者のニーズもよく分かるようになりました。彼らがどんなキャリアパスを考え、どんな仕事を求めているのかよく分かりました。後はマッチングするだけです。

経営ということが全く分からなかったので、次に経営の勉強会に山程通いました。

勉強会に参加する度に、自分では経営者としてできていないことだらけだと気づき、耳が痛い話ばかりで、最初の頃はすごく居心地が悪かったのを覚えています。

例えばコアコンピュタンスって何?
ミッション、ビジョンってどうして必要なの?って感じでした。

そうやって自分の中に基礎を作っていくうちに、仕事で「チャンス」や「運」がめぐってくるようになりました。というより、どんなことが「チャンス」なのか、本当のチャンスを見分けられる眼を養ったというほうが正しいかも知れません。

モーツアルトだって楽譜は読める!

基礎が一番大切だってことですね。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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