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時が滲む朝

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

「時が滲む朝」を読みました。

ヤンイーさん、今回芥川賞を取った作品です。文芸春秋(実は愛読書)にロングインタビューが載っていました。

ハルビンに韓民族として生まれ、時代に翻弄されて生きた人です。田舎に下放されて、極貧の生活、親戚を頼って来日、昼間は日本語学校で日本語を学び、夕方から明け方まで十五時間働く毎日。

そんな時あの天安門事件が起きて、北京を放浪し、また日本に戻って猛勉強してお茶の水大学に入ったそうです。そして日本人と結婚し、離婚を経て小説を書くようになるんです。

小説は素晴らしい日本語力というか、表現力でした。

どんな逆境に生まれても、希望を失わない。そんな生き方が反映されているような力みなぎる物語でした。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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