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見えない敵と戦う

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

「見えない敵と戦っている感じです」という通訳者の言葉がすごく心に残っています。

会議通訳になると、1日100単語ぐらいの新しい英単語を覚える。
全く新しい分野に挑戦する場合は、200単語から300単語。
それが毎日毎日果てしなく続くのである。

辞書で調べて単語帳作って、音読して、英英辞典でまた意味を確認して、
覚えるというより、すぐにデリバリーできるように、頭の中に叩き込んでいく。単語帳をきちんと作ったりする余裕はないらしい。

会議の事前準備は果てしなく続く。
資料が出る場合は、その資料で準備し、出ない場合は、インターネットでWikiやユーチューブで検索し、背景知識も深く調べて行く。

英語が堪能で優秀な若い通訳者が毎年デビューしている。上を見れば、経験豊富な大先輩がたくさんいる。そしてみんな山のような勉強をしている。

見えない敵と戦うとは、
どれぐらい努力すれば勝てるのかというのが分からないから、
いくら勉強しても、いくら努力しても、終わりがないんだと思う。

そんな気持ちで仕事をしているだろうか?と反省。そんな気持で仕事をしている通訳者をきちんとサポート出来ているだろうか?とまた反省。

そしていつもこういうことを学ばせてくれる通訳者に感謝!

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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