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読書の夏

ぺこたん

通訳・翻訳者リレーブログ

蒸し暑い日々が続きますが、皆さま如何お過しでしょうか?
ジメジメが大の苦手で、ジリジリした夏の風景には、特別ソソられず、澄み渡った青空には、脅威さえ感じる私は、特別予定がない限り、ひたすら自宅にこもっています。

そんな夏最大の楽しみは、読書。そう、“読書の夏”であります。今年の夏は、ひたすら本に没頭することにします。

そういえばここ半年ほど、何を読んだかな…。ちょっとリストアップしてみました。
こうして改めて見ると、新刊&旧刊&周囲の雑音に関係なく、書店&アマゾンで目に入り、ピンときたものを、迷わず手にしているのに気づきます。結果ご覧のとおり、個人的好みにより、もっぱら小説中心。ビジネス本やハウツーものなどは皆無。
とにかく物凄く偏っています。よってこんなリスト、何の役にも立たなければ、参考にもなりません。
でも、この偏りの中に浸りながらも、ひとり心揺さぶられるような瞬間に、数多く出会えているのも、確か。と言うわけで、そんなこんなの今週のブログ、一気に行っちゃいたいと思います。

                ◇ ◇ ◇

○『白光』、『誰かヒロイン』(連城三紀彦)
前者のようなミステリー小説で知られる氏ですが、個人的には後者のような、氏の美しい恋愛小説が好き。例えば『恋文』。ただし、少し前に久々読み返したら、何故か昔ほどは感動しませんでしたが…。

○『錦繍』(宮本輝)
こちらも詩的な文章が素敵。連城氏の後に、引き続き浸ってみました。時々読みたくなり、で、気づいたら自宅に3冊あった小説(笑)。しかし、こういう傾向のものが続くと、逆にウンザリしてきますが…。

○『頭の中がカユいんだ』(中島らも)
そんな“ウンザリした時”に読みたくなるのが、中島氏の作品。理屈抜きに好きな作家の、これは“彼らしい”エッセイ集。元気のある人でしたら、『ガダラの豚・全3巻』(アフリカ、呪術、超能力、宗教!)がお勧め。

○『愛読者・ファンレター』(折原一)
初めて聞く小説家による、一貫したテーマありの短編集。タイトルに興味を持ち購入、が、内容にはガッカリ。

○『きみが住む星』(池澤夏樹)
詩的な文章&写真。そばに置いておきたい、宝石のような1冊。時々パラパラ捲りたくなります。

○『わが夫、チェ・ゲバラ・愛と革命の追憶』(アレイダ・マルチ)
今もなお世界中の人々に愛される名革命家、その妻による伝記。初めて知るキューバ革命、カストロとの関係など、非常に興味深い内容満載。ゲバラはやはりカッコいい!

○『風の柩』(五木寛之)
氏もまた私の大好きな小説家。だいたい読んでいるのですが、書店で発見したこの作品は、なぜか読んでいなかったので、さっそく購入。おわら風の盆など、その土地その季節の風や温度漂う、魅力ある四篇集。前後して読んだ『哀しみの女』もよかった。

○『どれくらいの愛情』(白石一文)
“男目線な女の描き方が身勝手すぎて鼻につく!”“説教臭い!”と思いながらも、何故か発表される度に、手にしてしまう氏の小説。今回また手にしてしまい、そうしてまた“おいおい!”と思ってしまいました(好きな人は、とことん好きなのだろうけれど…)。考えてみれば、ついこの間も『永遠のとなり』を読み、そうして同じような感想を持ったばかり。にも拘わらず、直木賞受賞作『ほかならぬ人へ』も、気になってしまっている…って、これ、いったい何なのでしょう?? ああでもやっぱり、文庫になってから読もうっと。

○『夜の果てまで』(盛田隆二)
この人も白石一文氏と同様、独自の世界観を持つ小説家で、ちょっと微妙。好きな人は、中毒症状になっているのだろうけれど…。と言いながらも、『一瞬の光』『不自由な心』『ありふれた魔法』などと、代表作はすべて読んでいる私は、いったい……。

○『シャネルの真相』(山口昌子)
ココ・シャネルの伝記的小説。彼女&ファッション界に興味ある人は、必読。いち女性の生き方としても、なかなか読み応えある1冊。ただ、“真相”というタイトルは、ちょっと違うんじゃないか…とも思いますが…。

○『Faithfull: An Autobiography』(Marianne Faithfull)
○『A Freewheeling’ Time: A Memoir of Greenwich Village in the Sixties』(Soze Rotolo)
○『The Soloist』(Steve Lopez)
立て続けに3冊読破。1冊目は、ミック・ジャガー元カノの自伝。あの時代あの頃の人々との関わり方が、赤裸々に綴られています。歌手&女優としても、もっともっと評価されても良い女性。2冊目は、ボブ・ディラン元カノの自伝。こちらは、自分のことよりもディラン&当時のこと中心。また前者よりも、さらりとした内容で、“裏話”などを期待すると、ガッカリするかも知れません。3冊目は、ある路上(ホームレス)ミュージシャンに魅せられた、ある意味とても自己中心的な記者である筆者の、自己成長記といった感の小説。音楽家とは? 成功とは? 周囲にいる者たちの役割とは? 色々と考えさせられます。

○『讃歌』(篠田節子)
“人のこころを打つ”とは、どういうことなのか。音楽業界で仕事する身として、色々と考えさせられた作品。

○『孤高の人・上下巻』(新田次郎)
“単独行”で知られる、実在の登山家・加藤文太郎の生涯を綴った1冊。山岳小説は、凝り出すと止まらない。

○『バーボン・ストリート』(沢木耕太郎)
知り合いに勧められた、大好きな沢木氏の“粋”なエッセイ集。氏の作品では、20代の頃にみんな夢中で読んだ、名シリーズ『深夜特急』は言うまでもなく、個人的には『凍』(名クライマー夫婦の話)が無性に好き。

○『Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance』(Barack Obama)
“オバマに期待できるのは、彼に黒人の血が流れているからではなく、彼がアメリカ本土以外の地で、多感な頃を過ごしてきたから”…と、あるミュージシャンが言っていましたが、本書を読み終え、“まさにその通りだ”と実感します。発表されたのは2004年。でも今が読み時。

○『同じ年に生まれて・音楽、文学が僕らをつくった』(大江健三郎・小澤征爾)
貴重な経験や出会いを経た後に、今の自分たち&立ち位置がある。それぞれの世界の開拓者・先駆者ふたり、“地球人たち”の対談集。これは面白い! ワクワクしながら読みました。

○『幸せはすべて脳の中にある』(酒井雄哉)
脳関連本、けっこう好きです。

○『奈良・地名の由来を歩く』(谷川彰英)
これ、今年は一家に一台…っしょ。同シリ

ズ、他に“京都編”“大阪編”などもあり。

○『追伸』(真保裕一)
手紙をベースにしたミステリー。しかし氏(の文体)とは、どうも相性が悪いようで、『アマルフィ』も『ホワイトアウト』も、途中でギヴアップ。映画は悪くなかったのですが…。

○『ピアニストという蛮族がいる』(中村紘子)
日本を代表する名ピアニストによる、世界中の名ピアニストに関する、興味深い裏舞台話満載。でも“厭らしさ”は感じない。読ませる“上手い文章”のお陰か…。

○『I AM OZZY』(Ozzy Osbourne)
オジー初の自伝。その若き頃のヤンチャぶりは、想像以上。でも素顔はとっても素敵なひと。ファンならずとも楽しめる1冊。

○『かげろう』(藤堂志津子)
三篇集。感動したりガッカリしたり、好きなのか嫌いなのか、自分でも分からない小説家(特に好きなタイプではないのだと思う、たぶん…)。でも店頭で見かけると、必ず手に取ってしまうから、何だか…。

○『湿地帯』(宮尾登美子)
舞台は地方の薬品業界。特に好きな小説家ではないし、これは初期の作品であるからか、内容も非常に浅い…気がします。

○『街のアラベスク』(阿刀田高)
色々な街が舞台の恋愛短編集。氏の作品は何冊か読んだことはあるのですが、でも、うーん、心に残らないし、これはもう、つ・ま・ら・な・い!

○『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹)
大ファンだと公言する海外ミュージシャンも多い、村上春樹氏ですが、私はその小説と同じくらいに、このようなエッセイ集に、強く惹かれます。例えば『遠い太鼓』。あの“旅エッセイ”は素敵です。

○『ブルータスの心臓』(東野圭吾)
氏の作品は、ほぼ全て読んでいますが、考えてみたら、ここ半年の間に読んだのは、この1冊のみ(それも新作ではない)。新作ハードカヴァーも未読。この夏の間に、何とかせねば…。

○『望みは何かと訊かれたら』(小池真理子)
私にとり、西の東野圭吾、東の小池真理子…というほど好きな小説家。とにかく当たり外れがない。甘美な文章は、彼女ならでは。日本版オスカー・ワイルド、読み易い三島由紀夫といったところか。数か月前に読破した『水底の光』も、なかなか素敵でした。

○『最も遠い銀河・全4巻』(白川道)
文章がどうこういう人ではないし、いつも“こんな偶然あり得ない”という、“無理”を方々に感じますが、でもいつも夢中で一気に読めてしまいます。この作品然り。『終着駅』『流星たちの宴』『天国への階段』(←タイトルはあのツェッペリンの名曲から取られたもの)も、同じく読み応えあり。

○『愛する言葉』(岡本太郎・岡本敏子)
ふたりが遺したメッセージ集。私のバイブルのようなもの。時々開いては、その豊かで美しい言葉の数々に、うっとり浸っています。

                ◇ ◇ ◇

これから読まれるのを待っている本(その一部):

○『Prairie Tale: A Memoir』(Melissa Gilbert)
⇒大草原の小さな家。
○『すべては一杯のコーヒーから』(松田公太)
⇒タリーズ&帰国子女。
○『芸術の神様が降りてくる瞬間』(茂木健一郎)
⇒脳博士VS.芸術家たちの対談集。
○『龍馬が惚れた女たち』(原口泉)
⇒4人の女性たちの素敵な話。
○『Just Kids』(Patti Smith)
⇒パンクの女王&写真家ロバート・メイプルソープのパートナーによる自伝。

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記事を書いた人

ぺこたん

高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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