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努力の人

いぬ

通訳・翻訳者リレーブログ

県が主催する行事で、WBAスーパーフェザー級の世界チャンピオン、内山高志さんの講演会に行った。

子供を一流のプロフェッショナルに会わせようという企画で、非常に勉強になった(MCのお笑いコンビはちょっといただけなかったけれども)。息子を連れて行ったが、結果的にむしろ親の僕の方がいろいろ学ぶことが多かったように思う。

以下、内山選手の語ったことをメモを元に列挙する。

・中学時代はサッカー部。その前は野球に打ち込んでいた。両方ともあまり上手くはなかった。
・辰吉丈一郎の影響を受け、ボクシングをやるために強豪高校に進学。
・構えだけを練習したり、ジャブだけを練習したりという地道な練習を数ヶ月。
・はじめてのスパーは入部半年後。一発もパンチ当たらず。体力に自信があったが、今までで一番キツイと思った。

・大学のボクシング部では、周りは強い人ばかり。同級生に荷物もちをさせられる。悔しさからがむしゃらに練習。
・転機は大学1年のとき、2つ上の先輩と全国大会で当たったとき。先輩は天才肌の人。練習はあまりしなくても強かった。
→自分は休みなく練習。でも99%負けると思われていた。しかし結果は勝利。
→「練習していれば、結果は出るんだ!」

・22歳の時、オリンピックを目指したが出られず。やりきった感があった。24歳でアマ引退。
→友人の応援しているうちに、毎日淡々と過ごしているのがもったいない気持ちになる。25歳でプロへ転向。

・父(内山氏が25歳の時に亡くなる)はプロ入り反対。「やるなら1人暮らしでやれ」
→家を出て自活。練習の後、スーパーの3割引や半額セールの食材を狙う日々。
→2年後に、東洋チャンピオンになる(5回防衛)。スポンサーがついて、ようやく食べられるように。

・練習は、ただ毎日やれば良いものではない。目標を持ってやる。
→練習に行きたくないと思った時にこそ、練習をやる。妥協しない。
→妥協すると、強い相手と戦うときに気持ちで負ける。

・試合が決まって、それにむけて頑張ろう、ではダメ。
→毎日、いつチャンスが来ても良いように、常に目標を持った練習をする。

・花咲徳栄高校ボクシング部のモットー
→「恐れず 奢らず 侮らず」

・試合では緊張しない
→今はきつい練習をしている。そういうきつい練習が必要。休んだら弱くなる。
→試合では、「ここまでやったんだから」と開き直れる。
→「練習は、心に余裕と自信をもたらしてくれる」

一流のスポーツ選手であれば、多かれ少なかれ同じような経験はしているのだなあと思う。初めて聞くタイプの話ではなかったものの、それだけの体験をした人が目の前で語ってくれるのは、実に迫力があった。

子供たちの相手を丁寧にしている内山選手の目の優しさが印象的だった。好青年という印象の方であった。強さが裏づけとなった優しさなのだろうなあ。

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記事を書いた人

いぬ

幼少期より日本で過ごす。大学留年、通訳学校進級失敗の後、イギリス逃亡。彼の地で仕事と伴侶を得て帰国。現在、放送通訳者兼映像翻訳者兼大学講師として稼動中。いろんな意味で規格外の2児の父。

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