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好きな手作りは?

かの

通訳・翻訳者リレーブログ

 1980年代に乳がんで亡くなったジャーナリストの千葉敦子氏。がんと闘いながら多数の作品を残している。私は大学時代に彼女の本と出会い、生き方に大いに影響を受けた。仕事のやり方や時間管理など、彼女からたくさん学んだのである。「ニューヨークの24時間」と「ニュー・ウーマン」は、留学先にも赴任先にも持参し、ボロボロになった今も手元にある。
 千葉氏は本の中で、日中、頭脳労働の人には退社後に運動を、また、昼間体を動かしてばかりの仕事であれば夜に読書など頭を使うことを勧めている。私のようにフリーランス通訳者の場合、毎日仕事場も内容も違うので、そういう面ではバランスが取れていると思う。たとえば月曜日は仕事の予習日、火曜日は放送通訳、水曜日は会議通訳、木曜日は授業、金曜日は在宅翻訳、といった具合だ。
 ちなみに一日中机の前で資料と格闘する日は、ものすごい運動不足になる。そんな日はスポーツクラブのスタジオレッスンを事前に手帳に書き込み、極力出かけるようにしている。体を動かさずに同じ姿勢で資料を読んでいると、よけい疲労感が募るからだ。
 一方、外で仕事がある日は、電車の乗り降りだけでも1万歩ぐらいはいける。私の場合、エスカレーターやエレベーターは極力使わず、階段を利用。これも立派な運動だ。重い資料の入ったカバンも、ウェイトトレーニングと思えば自己暗示に十分だ。車内ではなるべく立つことで、体のバランス感覚を維持したいと思っている。
 そんな感じで体を動かして帰ってきた日は、無性に何か「創作」したくなる。その一つが料理。結婚当初は夫があきれるぐらい、私は料理ができなかった。しかし試行錯誤を経て、今ではなんとか形になってきたように思う。最近は、帰宅直後にクタクタでも、野菜を切って煮たり焼いたりしていると、だんだん元気になれる。おそらく単なる食材だったものが、作品として出来上がるのがうれしいのだろう。
 もう一つ、手作りで凝っているのがパン。ホームベーカリーがあるので、毎回違う食材を入れて楽しんでいる。先日試してみたのは「みかんパン」。中皮は面倒だったので剥かず、ただ小房に分けただけで投入。出来上がったパンは、あざやかなオレンジ色で、甘酸っぱい味わいになった。
 他にも包装紙で封筒を作ったり、空き箱で引き出しの仕切りをこしらえたりといったことが、ささやかな楽しみになっている。これから挑戦したいのは「バスボム」。先日、お世話になっているコーディネーターさんからバスボムなどのセットをいただいた。お風呂に入れると、シュワシュワーっと溶けて子どもたちは大興奮!それで自分でも作ってみようと思ったのだ。ネットでレシピを検索したところ、重曹とクエン酸で簡単にできそう。休みの日に子どもたちと作るのが今から楽しみだ。

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記事を書いた人

かの

幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。

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