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物凄く珍しく……

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通訳・翻訳者リレーブログ

……風邪をひいてしまいました。

寒くなったり暑くなったりの、この温度変化についていけなかったのか、あるいは誰かさんにうつされたのか。
OOのかく乱。OOでも風邪をひく。まぁ何とでもおっしゃいな!

とにかく、物凄〜く久しぶりに、風邪をひいてしまいました。

だからと言って、“1—2日休みます”と言うわけにもいかない、哀しき貧乏ヒマなし音楽業界フリーランサー。だからこそ、日頃から気をつけてはいるのですが…。と言っても、帰宅したら真っ先に手洗い&うがい。そうして“ヤバイな”と思った日は、潔く諦めてとっとと寝る…というくらい。
そうして今回、これがよくできたもので(?)、“ヤバイな”と思った翌日は、1日くらい休んでも何とかなる日。よって1日、思いきり寝込んだ…のですが、今回の風邪ばかりは、1日経過しても、回復する兆しまるでナシ…で…。

目は大雨時の窓ガラス。
脳味噌は膜張り状態。
喉ではカラスが巣作り中。
足腰も何だか、ギシギシ痛い。

無理矢理パソコン前まで這って行き、画面を覗くも、単語がてんで出て来ず。
笑っちゃうほどに使えない、この、ア・タ・マ……(;一_一)

そうしてこういう時に限って、5連夜、声を使わなければいけない、インタビューという仕事が入っているときた。でも、すべては電話。対面取材は一切なし。不幸中の幸い…か。まぁ良い方に考えれば…。
(そうしてこの“インタビュー&起こし”は、私の大…大…大好物。最も興奮し、楽しくて仕方がない仕事だったりします)

こういう時は、通常よりも気をつけて、インタビューに挑まねば…。
だって以前にも、体調不良で“ボーッとしながら会場入り、何とか無事インタビューを済ませ…までは良かったが、仕事場へ戻り、テープを回してみたら、どこをどう聞いても、入っているはずの会話が、まるで入っていない(=録音ボタンを押すのを忘れていた…らしい)のに気づき、慌てふためき、でもその時すでに遅し…で、覚えている限りのことを書き出し、ヒーヒー言いながら、何とか1本の記事にまとめ上げた”…という輩もいたほどですし…。

だいたい、インタビュー終了直後に、必ずその場で一度、ちょっと巻き戻し確認するものなのですが…(実際そうやって、入っていないことに気づき、相手の御好意に甘えて、もう一度録り直した…という人もいましたっけ)。
それだけ体調が普通ではなかったのでしょう。

ああ、怖い怖い!

ですから今回、“電池は十分入っているかな”“録音するには、ここを押すんだったよなぁ”“このライトが点滅していれば、録音できていると言うことだったよなぁ”“OOOの国番は、XXXだったよなぁ”…などと独りでブツブツ言いながら、インタビュー開始まで、妙にドキドキしてしまいました。

それ以前に、これだけ連日インタビューが続くと、どの日にどのレコード会社のどの担当ディレクターのどのアーティストだったか、開始時間は何時で、こっちから電話するのか相手から来るのか…。その辺のところも、事前にしっかりチェックしておかねば。物凄くこんがらがりそうだ。

で、チェックは完璧…だったのに、インタビュー直前に鼻をかんだところ、耳がキーンとして、しばらく元に戻らず、焦ったり……。
それから、“インタビューの途中で、咳が止まらなくなったら、どうしよう”…と思ったり。意外と心配症。

で、いざインタビューが始まり……
スウェーデン人に、“風邪ひいちゃってます”と言うと、“暑い東京で、なぜ風邪ひいただ?”と責められるし(…ってゆーか、そういう問題か?)、ドイツ人に、“ガラガラ声でスミマセン”と言うと、“大丈夫、普段の声がよく分からんから!”と励まされるし(…おお、どうもありがとう)、イギリス人に、“こういうわけで…”と伝えると、“心配ないさ、国際電話ではうつらないから”とフォローされるし(まあ、確かに…)。

でもでも、
直前まで鼻ズルズル、頭ボケボケ状態でも、いざインタビューとなると、途端に鼻は出なくなるし、頭も冴えてくる。そんな状態が、見事最後まで続くのだから、不思議不思議。
そうして終了した途端、また鼻ズルズル&頭ボケボケ状態に戻ってしまう。これにはびっくり。新しい発見。

あっ、そうそう……
ある大物ミュージシャンが、インフルエンザを押して、ライヴを行なった時のこと。ステージでは普段どおり、ミスひとつないパワフルなパフォーマンスを披露。が……インターバルで戻って来るたび、袖で思いっきり吐いていた…という話。その為に、袖にバケツを用意して貰っていた…とか。

そういうものなのかも知れませんね。
…と、あんな偉大な御方を引き合いに出してしまうのも、とんでもないことですが…。
でも書きながら、ふと思い出してしまいました。

で、何でしたっけ……

あっ、そうそう、
電話インタビューは、外の音や風が入ってくると、凄く気になり、集中力がぷつり切れてしまう恐れがあるので、窓はすべて閉め、エアーコンディショナーもオフにして挑むので、暑い日は、いつもサウナ状態なのでR。

で、スウェーデン人に、“こっちは5℃くらいだよ”と言われると、スウェーデンへ駆けつけたくなるし、ドイツ人に、“こっちは8℃くらいだよ”と言われると、ドイツへ逃亡したくなるし、イギリス人に、“こっちは6℃くらいだよ”と言われると、イギリスへ逃亡したくなるし…で…。

“とにかく暑いのはもうたくさん!”…とドサクサに紛れて叫んではみるも、“でもいまはまだ春だったよなぁ”と思い出し、だいたい、燃えているのは自分だけなのか、東京全体が燃えているのか、ワケ分からないし……という状態で。

そうそう、風邪をひいて気分が悪い時は、お香も煩わしくなるものなのですね。普段は絶えず焚いていないと、逆に落ち着かないほどなのですが…。
これまた不思議な現象。余談。

で、そう、しつこいようですが、
目は大雨時の窓ガラス、脳味噌は膜張り状態、喉ではカラスが巣作り中、足腰も何だか、ギシギシ痛いわけで……。
ですからインタビュー・テープ起こしも、通常なら1日1本のペースが、優にその倍はかかってしまうし、合間にやった歌詞対訳作業時には、気の利いた単語がなかなか出て来ず、1時間経っても1行も書き出せず、悶々としてしまう始末(原稿待ちの皆さん、御迷惑をお掛けしました)。

だいたい、普段なら何時間でも飽きずに、原稿書きを続けられるのに、それもままなら

ず、すぐに疲れてしまい、横になり休憩をとってしまう。
風邪をひくと、持続力も忍耐力も集中力も気力も、すべて低下してしまうのだなぁ。興味深い。

で、横になったらなったで、今度はいきなり足が攣ってしまうし、寝返りも思うようにできなかったり…で。だいたい身体が、やけに、重い。
風邪をひくと、体力も低下してしまうってわけか。嗚呼。

…で、何だかんだ思いながらも、やっと集中モードになれそうだ…と思った次の瞬間、“ピンポーン!”。宅急便屋さん。涙〜。
(そう、音に集中する為に、閉め切った部屋の中で、ヘッドフォンをつけながらやっていますが、でも呼び鈴は絶対に聞こえるようにしています)

で、起こしながら、やはりとても気になったのは…
“普段ならもっと上手く切り返せたり、話の持って行き方、もっと色々とあっただろうに”…という箇所の多さ。気の利いた会話ができていない自分に気づいて…で…ちょっと自己嫌悪に陥ったり……。
それにこの5インタビューでは、ニーチェやらカントやらダンテやらゲーテやらの話も飛び交い、物凄く興味深かったのですが、でも脳味噌の回転速度があまりに遅く、思うようについてゆけず…。(あとで勉強し直さねば)

でも、そうそう、逆にごくたまーにですが、
原稿にしている時、物凄く冴えた単語が、いきなり閃いてしまうことも。あとで読み直しながら、“だ…だれだっ、こんな凄いフレーズ書いちゃったのは??”…みたいな……(^_^)v

高熱にまみれて、別次元の世界に、ちょっと足踏み入れてしまった…ような…。
してみると、うなされてみるのも、時にはいい…か??
嗚呼〜〜。

まぁ、何はともあれ……
すべてを入稿し、無事“ゴール”した瞬間の脱力感たるや、健康体時の数100倍。糸が切れて、地面にグニャ〜〜ンと墜落する、操り人形の気分でした。

……と、いつもハイパー元気でいるから、それが特別なことなどとは、意識したことはなかったのですが、いやはや。たかが風邪、されど風邪。色々と考えさせられました。
普段、楽しいインタビューができ、何時間もパソコン前に座り続け、ボンボン言葉が出てくるのは(出ている…か?)、健康であるからこそ。
本当にありがたいことです。

常日頃当たり前だと思っている、でも実は当たり前ではないこと、こうして健康でいることのありがたさが、身に沁みたこの数日間であります。

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記事を書いた人

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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