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青山〜表参道〜原宿散策

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通訳・翻訳者リレーブログ

電話インタビュー⇒テープ起こし⇒電話インタビュー⇒テープ起こし⇒原稿書き⇒原稿書き⇒歌詞対訳⇒歌詞対訳……と、ずっと引きこもりの日々を送っておりました。
その反動…と言うわけではありませんが、先週末、仕事の打ち合わせも兼ねて、青山方面でランチ。久々の外出です。おまけに晴れ渡った、心地好い一日。思いきり羽を伸ばして参りました。

まずは、長いおつきあいのある皆さんと、楽しい会話&美味しい中華料理を堪能。その後、久しぶりに青山通りから表参道に入り、のんびりひとり散策。
学生時代によくフラフラした界隈、私の大好きな散歩道です。しかしあの頃あった店の8割は、もう存在しないのでは…。街並み全体が、そうとう変わってしまいました。独特のエンジン音を出しながら滑走していた、美しいボディ・カラーのスポーツカーたちも、いまでは滅多に目にすることはなく。
それでもあの周辺の雰囲気は、いまでも大好き。身体を包み込むあの空気感や、辺りに漂う匂いは、いまでも変わらず、あの界隈独特のもの。

次の約束があるわけでもなく、原稿書きも一段落したところだったので、ブランド・ショップを、ひとつひとつゆっくり観て廻ります。
〆切に追われていない状態の、なんて心地の良いこと。
店を覗きつつ、ついでに人間ヴォッチング。歩いている人たちの、ファッション・センスが、本当にステキです。これまた、此処が大好きな理由のひとつ。
重ね着、同系色異素材、微妙に異なる色のグラデーション。その組み合わせ方やバランスのとり方が、抜群にうまい。ロング・カーディガンに、細身のレギングスに、ゴッツいブーツでキメたり。それも恐らくは、手頃な値段の服やアクセサリーばかり。そしてとってもシンプル。学生だった80年代当時のように、上から下までブランド品で…という、下品極まりない人はなく。自分たちの買える範囲内で、みんな楽しんでいる様子。
感心しきり。参考にしたいタイプの人ばかりです。
ロック・テイストの人も多く。でもそれは、あくまでもファッションの世界。実は彼ら、ロックそのものには、殆ど興味がないんですよね。“これだけの数の人たちが、音楽にも興味をもち、アルバムを買ってくれればなぁ”…と、仕事脳チラつきつつ、余計なことを考えつつ、いざ原宿方面へ。

まずは、ここ1-2年の間に一気にオープンした、いわゆる“ファースト・ファッション店”を幾つか覗きます。そこで、大好きなシャンデリア・ピアスを数点購入。“耳は2つしかないのになぁ”…といつも思うのですが、でもこのピアス買いは、どうにも止められず、増える一方。嗚呼。
その後、“そうだっ。せっかく来たのだから、久々にラフォーレも覗いてみよう”…と、ぐんぐん吸い込まれていきます。と、す…凄い混雑ぶりです! なーんと、当日は冬バーゲン初日。あとで知ったのですが。どうりで。
とにかく、凄い人。凄い熱気、凄いエネルギー。売る人も買う人も。そして凄い呼び込みの声。日々音まみれの私ですが、一瞬の内に、瞬間難聴になった気がしたほど。

でも、それもこれも、頷けます。だってなんたって、すべて平均70%引き! “タイム・サービス”では、その数10分の間だけ、80%引きだったり…と。私もその時間内に、気に入ったものと出会ってしまい、慌ててレジ前長い行列の最後尾へ。
その後も欲しいもの続出。ワクワクソワソワ。でもでも、気をつけねば…。若い頃は、品質に関係なく、何でもうまく着こなせますが、年を重ねると、そう簡単にはいかないもの。なんたって、肌色も髪質も変化します。体型は言うまでもなく。20代と変わらないと思っているのは、あーた、はい、自分だけ。イタいのは頂けない。ほんと、気をつけねば。

と、何だかんだ言いながらも、その後も気になった店に、どんどん吸い込まれていきます。みんな時計廻り、逆流は不可能に近い。それは毎年通っていた学生時代から、変わらず。
グルグルグルグルグルグルグルグル。
で、気づいたら、いきなり最上階。で、両手には、大小色とりどりの袋。って、い…いつの間にか! だ…誰がこんなに買った? でも、これだけ買っても、計1万円代。なんとまぁ。

し…しかし、もうこれ以上は、いかんいかん。持ち切れず、帰宅できなくなってしまう、と、自分に言い聞かせながら、慌てて1階出口方面へ。と、そこにもまた、長蛇の列。“えっ? なんだっ?”…と思いながら、覗いてみると、“手ぶらで帰りませんか?”…なる看板が。宅配便のコーナーでした。ああ、なるほど。初めて見ました。凄いなぁ、ニッポン!

“凄いなぁ、ニッポン”…と言えば……
ぶつかったり足を踏んだりするたび、互いに“すみません”と謝るし、財布をジーパンの後ろポケットに、無防備に突っ込んでいたり、バッグを無造作に開けたままだったり。中高時代を南米で過ごした私は、その当時の習慣が未だ抜けず、ショルダー・バッグを小脇にがっちり抱え込みながら、“この人たち、大丈夫なのだろうか”と、ハラハラ気になって仕方ありませんでした。
ほんと、平和だわなぁ、ニッポンって。

それにです……
不況だ就職難だ、何に対しても“欲”がないと言われる若者たち。でも、いえいえ、今日のこの界隈の彼らは、元気そのもの。売り手も買い手も、みんなとてもガツガツしていましたよ。良い意味で。デザイナー専門学校に通っていそうな人も、ゴロゴロいましたし。とにかくみんな個性的。楽しそう。取り敢えずは、夢中になれる何かのある彼ら。物凄く幸せですって、それって。絶対に。
ってまぁ、元気のない人は、あんなところには、最初からいないわけで…。

でもでも、マイナス面ばかりを取り上げ、煽り焦らせ、財布のひもを絞めさせ、悲観的にさせ委縮させてばかりいるのも、いかがなものか……などと考えながら、変わらず魅力的な街の、変わらずファッショナブルでエネルギッシュな人々に、幸せと元気をたっぷり貰いながら、気持ちよく帰宅した私なのでありました。

日本はまだまだ平和ですよ。はい、大丈夫ですって、きっと……。

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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