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今、毛穴が熱い!(2)

まめの木

通訳・翻訳者リレーブログ

通訳の仕事で外に出ると、顔が小さくなる。帰宅時には心なしか体重も減っているように感じる。通訳の仕事だと毎日しゃべって顔の筋肉を使い、体も動かすため、顔が引き締まってくるのだが、比較的長期、家にこもって翻訳をしていると、表情に張りがなくなり、皮膚もたるんでくる。これには家の外に出て人に会わない、という心理的作用もあるのかもしれないが、座りっぱなしで足まで太くなるのは、ちょっと悲しい。悲しい気持ちになると、ますます表情筋がたるんできて、家の者が雰囲気を盛り上げようとして冗談を言っても、『あっそ、キシシ…』などと最小限の表情筋で笑うようになってしまい、なかなか明るい表情がすぐにできないのである。心も体も循環が悪くなる中、最近、凝り始めているのは毛穴のケアと顔面マッサージである。実は3?歳になるまで、マルセイユ石鹸での洗顔と自家製の基礎化粧品しか使っていなかった。既製の化粧品には何が入っているかわからないし、作れるものを買う必要はない、という単純な理由で、留学時代に始めた化学実験のような化粧品作りをかたくなに続けていたのだが、所詮、文科系の私が自己流の研究開発に精を出してみたところで、薬品メーカーのブレインには到底かなわないことが分かった。
3?歳を過ぎた頃、ファンデーションを塗っても塗っても、鼻の部分だけゴソッと剥げ落ち、毛穴がブツブツするようになってしまったのだ。これはいかん、とうら若き女性に助言を求めたところ、皆口をそろえて『洗顔の徹底と基礎化粧品への投資』を強調する。下さえきちんとメインテナンスしておけば、上に塗るのは100円ショップのファンデーションでも良いのだという。化粧する時間よりもメイク落としに時間をかけるという女性もいた。ということで、早速、クレンジングオイルなるものを生まれて初めて購入し、パラベン不使用の洗顔石鹸とナノテクノロジーを駆使したと称する化粧水に美容クリームを使い始めたら、だんだん肌の調子が良くなってきた。手間をかければまだまだ間に合う!と、またまた単純に気を良くして、最近ではこれに加え、毛穴用クリームを鼻の周りにすり込んで、小豆島産のオリーブオイルで顔面マッサージを始めてみた。これがなかなか気持ちがいい。人の手からは“気”が出ているのか、自分でマッサージするだけでも、とても“大事にされている”感じがして、しおれた心も癒される。心が癒されるから毛穴が小さく、肌も綺麗になっているように思い込んでいるだけなのかもしれないが(家の者の証言:『以前とあまり変わっていない』)、これでハッピーになれるのなら良いではないか、と凝り性の私は鏡に向かい、『綺麗になれ〜〜〜』と呪文を唱えつつ、今日もせっせとマッサージを続ける…。

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記事を書いた人

まめの木

ドイツ留学後、紆余曲折を経て通翻訳者に。仕事はエンターテインメント・芸術分野から自動車・機械系までと幅広い。色々なものになりたかった、という幼少期の夢を通訳者という仕事を通じてひそかに果たしている。取柄は元気と笑顔。

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