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CatholicとChristian

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 気が付けば、クリスマスまであと1ヶ月を切ってしまいました。うっかりしていると、はっと気づいた時には年が明けていそうです。気を確かにしなければ。
 さて、今回のテーマは、CatholicとChristianについて。
 まず、Catholicは、もちろん、「カトリック教徒」を意味します。そして、Christianは、私の手持ちのどの辞書を見ても、「キリスト教徒」という意味になっています。英和はもちろん、英英でもそうです。
 ですから理屈では、Christianの中に、Catholicも含まれることになります。でも、なんだかちょっと使い方が違うなあ、と薄ぼんやりと思っていたのでした。
 例えば、以前、韓国人の敬虔なキリスト教徒の知り合いと話していた時のこと。「あなたはCatholicなの?」と聞いた時に、「いいえ、私はCatholicではなく、Christianよ」という言い方をしたのです。Anglican(英国国教会系)よ、とか、韓国キリスト教(言い方は分かりませんが)よ、とかではなかったので、あれ、と思ったのでした。
 でもそのときは会話の中で、そのまま流れていってしまったのでした。
 ところが最近、キリスト教系の高校を特集した雑誌の記事(North & South、2011年11月号)を読んだ時に、「あれー」と思ったのです。というのは、宗派別の学校一覧表に、Catholic、Christianと分類されていたからです。
 上記の意味であれば、Catholic、Anglican、Presbyterian…と言う風に分かれているはずなのに、なぜ、Christianという言葉がCatholicと同等で出てくるのだろう、と不思議になりました。
 そこで、英語で分からないことがあるといつも頼りにしているWarrenさんに質問してみました。彼はNZでも由緒正しい家柄の出身で、非常にクラシックなNZ英語を話す男性です。
 その表を見せて、私の疑問を説明すると、「ああ、これは、非常にCatholic的な見方だねえ」とのこと。つまり、Catholicにとって、キリスト教というのはCatholicであり、ほかの宗派は自分たちと同じキリスト教として認めていないのです。なので、Catholicと、それ以外の(うさんくさい)Christianという分け方になるのだそうです。Christianの中に、Anglicanから新興宗教的なキリスト教まで含まれるとのこと。
 なるほどー。と、納得したのでした。キリスト教徒の方でしたら、とっくにご存じ、というか、当たり前の概念なのだと思いますが、一般的な日本的宗教観で育った私には発見だったので、ご紹介しました。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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