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冬の雨

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 気が付けば、早くも6月。カレンダーをめくったら、6月1日の欄には「First Day of Winter」とありました。オークランドの冬は、激しい雨と風の日が多くなります。気温は日本の真冬ほど下がりませんが、どんよりとした日ばかりになるので、ゆううつです。
 ただ、1日中雨が降っている日は少なく、1日のうちで晴れたり、曇ったり、雨が降ったりという日の方が多いです。天気予報も「曇り時々晴れ時々雨」ばっかりで、あまり意味がありません。時々、雷マークが増えるぐらいです。
 こういう天気ならではの冬の風物詩に、虹があります。雨のすぐ後にお日様が現れるので、虹があちこちに出現し、毎日のように目撃します。
 先週末には郊外をドライブ中に、虹の両側の根元までくっきりと見える、完全に七色の虹に遭遇しました。手を伸ばせば届くぐらいすぐそばに出現して、なんだか幸せな気分になりました。
 さらに冬はヒョウが降ることも多く、雪が降らないオークランドでは、子供たちは雪の代わりに大喜びします。
 主婦である私は、雨が多い冬の洗濯物に困ります。1日中雨が降らない、という日はほとんどないため、大体、日中は車がないガレージの下に干すことにしています。
 しかし、あちこちの家の庭先では、雨に打たれた洗濯物を見かけます。さすがに雨の降る中で洗濯物を干し始めることはありませんが、雨が降り始めても、あわてて洗濯物をしまいこむということはあまり見かけません。お日様が照りつけていても、10分後には豪雨が降り注ぎ、その10分後にはまた天気が良くなる、という繰り返しなので、いちいち気にしてはいられないようです。
 以前、外出先で雨が降ってきた時に、知り合いが「あら、洗濯物、干しっぱなしだったわ」と言ったので、「濡れちゃうねー」と答えたところ、「でも風が強いと、帰ったころには乾いていたりするのよねー」と笑っていました。
 私にはこれができません。「雨は汚い」というすりこみが抜けないのです。以前、気の置けないキウイに、「こちらの人は洗濯物が雨に濡れても気にしていないように思う。私は雨でせっかくの洗濯物がまた汚れる気がするのに、なぜ平気なのか?」と質問したことがあります。しばらく思案した後、そのキウイからは、「雨が汚いとはどうしても思えない」という答えが返ってきました。
 雨に濡れないように注意する「常識」が染み付いた私は、NZ在住6年目でありながら、いまだに「洗濯物が雨に濡れても平気」という境地に到ることができません。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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