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娘の懇談会にて

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 今週から2週間、NZの学校は冬休みです。先週は娘の通うIntermediate(日本の中学校に相当。ただし学年は、日本の小学校6年〜中学1年の2年間)の懇談会に行ってきました。担任の先生、親、子供による、いわゆる「三者懇談」です。
 娘の担任は50代ぐらいの男性で、お父さんがアメリカ人、お母さんはインド人で、以前はニューヨークで金融関係の仕事をされていたそうで、算数の科目責任者を担当されています。娘にとっては初めての男性の担任です。
 ニュージーランドでは、幼稚園・小学校では男性の先生はほとんど皆無で、中学校、高校と生徒の年齢が上がるにつれて、男性教師の割合は増えていきます。特に幼稚園ではおそらくゼロではないかと思います。これはまず、幼稚園・小学校の先生の地位がこの国では低いこと(給料が安い)、さらに、幼稚園・小学校では男性にセクハラの疑いがもたれやすいこと(泣いている子供をなぐさめるためにハグしても、セクハラになってしまうことがある)があるようです。先生に関するこの男女比の偏りが及ぼす影響はかなりの問題だと私は思っていますが、この国ではあまり議論になっていないようです。
 閑話休題。懇談会ではまず、先生から娘の成績について、事前に家に持って帰ってきていたPortfolioを使って説明がありました。Portfolioとは、各科目のテストの結果や先生の添削を受けた作文などが入っているほか、生徒自身の学期の初めの目標と学期末の評価も入っているクリアフォルダのことです。日本の学校と違って、学校でやった小テストなどをいちいち持って帰って親に見せる、という習慣がないので、学校でやっていることを知るための大切な情報源です。
 そして、娘への注文として、「もっとクラスで発表しよう」と言われました。これって、私の大学での課題でもあります・・・。分かっていても、なんだか自信がなくて手を挙げるのをちゅうちょしてしまうのです。でも、NZの教育では、自分の意見を述べることによってクラスにいかに貢献するか、は小学校から大学まで、重要な評価要素です。いつまでも「苦手」といって逃げてはいられません。
 娘の担任の先生は、非常にほがらかで、やさしい方で、娘に対して、「君がクラスのほかの子供たちに教えてあげているのを知っているよ。君は理解しているけれど、間違っているか心配で、手を挙げないんだよね。でもね、ぼくは君がやっているような舞台に立っての楽器演奏やダンスなんて、とてもできない。なのに、君は堂々とやっていてすごいよ。僕にとっては、クラスで手を挙げることの方がずっと簡単だよ。君にもできるよ」と励ましてくれました。
 NZの学校では、スポーツ、ダンス、演劇、音楽演奏など、様々な活動に参加することができます。それぞれ、たいてい、オーディション(NZではTryoutと呼ばれる)があって、だれもが参加できるわけではありません。また、興味がない子はまったくなんにも参加しません。どれだけ、何に参加するかは、あくまでも子供の選択と能力に委ねられます。娘の場合は、パフォーミングアーツのダンス(これはオーディションを受けた)とジャズバンドでのバイオリン演奏(これは音楽の先生に、バイオリンをやっているのならぜひ入ってと誘われた)をやっています。近所の小学校に公演に出かけたり、高校のパフォーミングアーツを見学に行ったりして、あれこれ活動しています。練習やこういった行事は学校の授業中に行われるので、クラスの授業は抜ける形になります。
 懇談会では、娘が苦手な算数についてなど、日ごろ気になっていたことも相談もできたし、最後には、先生から、「You should be proud of your child!」というNZならではのポジティブなお言葉を頂けて、娘と2人で明るい気持ちで帰途につきましたとさ。
 
 

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みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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