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日本の日常生活の不思議

昼顔

通訳・翻訳者リレーブログ

日本にいると常識とか当たり前だけど、外からその様子を眺めると、良い悪いは別としても「うーん、これって日本だけ?」と感じることってあります。

今日がまさにその日本らしさを確認する興味深い日となりました。

午前中にカルジェルのためネイル・サロンに行きました。このカルジェル、マンハッタンではまだまだ普及していません。数的には、個人ネイリストによる施術は除き、ほんの数件の日系サロンでカルジェルが楽しめる程度。おそらく極めて低価で普通のネイルサロンが乱立しているため、2‐3週間持つカルジェルの良さをアピールしきれていないのでしょう。

振り返ると、私の周りの通訳者はカルジェルをされている方々が多かったように思います。同通ブースにしろ、現場での通訳にしろ、その場での集中力が求められる業務の中、そして黒子に徹しなくてはいけない立場で、唯一自分らしさが出せる指先。その手元が美しいと気持ちにゆとりが持てる、少なくとも私はそうでした。予断ですが、同じ通訳者でも知人の手話通訳者によると、ネイルや指輪などはご法度なんだそうです。確かに手元がきらきらしていたら、通訳を必要とされる方からすれば訳出に集中できないですね。

さて、今日は、日本が大好きというエクアドル出身でニューヨーク育ちのネイリストが担当してくれました。義兄が日本人で今秋に再来日するとのことで、日本社会や日本の文化について質問攻めされました。日本の相対的地位が落ちている中、この土地であまり日本に関心を持っている人と出会っていなかったので、説明をしながら改めて、日本の特殊さについて考えさせられました。

かいつまんで内容をまとめると、
*通勤電車に女性専用車輛がある(個人的意見として、一度、女性だけの車輛に乗ってしまうと、もう両性車輛には乗りたくないわよき〜と教えておきました)

*日本の漫画にそれぞれ囲いがしてあるけど、シーケンスの順番が記載されていないので、読むときに困る。あと日本の書籍は右開きなので、頁を繰るときにとても不思議な気分になる

*電車、地下鉄、バスが時間通りの運行はまずもって驚きだけど、朝の混雑する通勤電車で、なるべく多くの乗客がぎりぎりまで乗れるよう押し込む駅員がいる。定時運行なのだから、そんな無理を乗客に強いるぐらいなら、運行ダイヤを改正した方がいいのでは?

*これも電車関連。何らかの問題により電車自体が遅れた場合(特に朝の出勤時)鉄道会社は乗客に対し「遅延証明書」を発行する

*公衆浴場やスパで、刺青(タトゥー)している人は断られる(確かにアメリカではちょっとしたタトゥーはした人をよく見かけます。ただこの場合は、婉曲的にその筋の方の入場を断るためだから、外国人でちょっとのタトゥーだったら多分大丈夫と言っておきました)

*駅前に自転車専用でデジタル管理された立体駐車場がある(NYローカルTV局が葛西駅を例に特別取材していました。マンハッタンと同じで自動車通勤はまずもって得策ではないですよね。電車や地下鉄を使う人が多く、自宅から最寄駅まで徒歩では遠い場合、自転車がよく利用されている。ただ、狭い東京でそれらの自転車を平面的に受け入れるスペースもないことから、地下に立体駐車場を創ったとの由)

*分別ゴミのあまりに厳しく細かい仕分けルール。でも一度、あの細かい仕分けに慣れてしまうと、ここでの大雑把な仕分けに疑問を感じてしまうとも…。これについては同感です。

説明の度に目を大きく見開き、「面白い」と連発していました。いずれにしろ、日本やその文化や習慣について外国人が関心を抱いてくれるのは何よりも嬉しいことです。それと同時に、当たり前と思っていたことが理屈では説明できす、私は深く考えもせずにそのままそのものを受け入れていたんだな〜と思いました。

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記事を書いた人

昼顔

外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。

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