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YUKI

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

気が付けば、ニュージーランドの国旗は結局、現在のものが存続と決定されました。今、検索したら、Wikipediaに日本語でも詳しく解説されていました。興味のある方はそちらへ。国税の無駄遣いという批判もありましたが、歴史的な瞬間に立ち会えたことで、私としては意義はあったと思います。

さて、そんな国旗についてのトピックが我が家ではすっとんでしまう大ニュースがありました。我が家に犬がやってきたのです。鶏のキャンディーズの最後のスーちゃんにお別れを告げ、ウサギのキャンディがあっという間にこの世を去ってしまって1年あまり。満を持して、犬を飼うことになりました。

ジャーン。

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グレイハウンドのゆきちゃんです。元の名前はZoeでしたが、夫の名前の一部をとって、幸せになってほしい、という思いを込めて、そして我が家らしさを出したい、ということで名前を変更。

ニュージーランドではグレイハウンドによるレースが競馬と同じぐらいさかんで、そのために、引退したグレイハウンドに引き取り手を探すための組織があります。これは、レース用のグレイハウンドを育てる人からの費用と、私たちのように引き取る一般家庭からの寄付金で運営されている団体で、Greyhounds As Pet、略してGAPです。サイトはこちら

通常、レースを引退するのは4歳なのですが、ゆきちゃんは2歳で、レース経験はありません。おだやかすぎたりして適性がない場合、レースを経験しないで、GAPに引き取られます。

私は、人生で一度は犬を飼ってみたいと思っており、どうせ飼うなら、保護団体から引き取りたいと考えていました。ウサギのキャンディを引き取ったSPCAという団体でも犬はたくさんいるのですが、見に行くと、ピットブル系が非常に多いのです。忠誠心があって、番犬としてはうってつけ、この国では非常に人気がありますが、それだけに子供を噛む事故が多い犬であることも事実。犬初心者の私たちには手に余ります。

うーん、と思っている時にGAPの存在を知って、グレイハウンドについて知れば知るほど、これだ!と思えてきたのです。

グレイハウンドは毛が短く、犬特有のにおいが弱い、性格が非常に穏やかで、寝るのが大好き。そしてなにより、その美しさに引かれました。

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とにかく寝るのが好き。

しかし、当初の夫は非常に難色を示しました。そもそも夫は動物は「嫌い」ではなく、「怖い」タイプ。ウサギにしろ、ニワトリにしろ、最初はこわくてしようがないのに、妻に無理やり巻き込まれて面倒を見ているうちに仲良くなってくれました。

そんな夫には、大型犬のグレイハウンドはもちろん恐怖の対象。でも、あるとき、GAPのイベントに私に無理やり連れていかれて、そこで開眼したのです。グレイハウンドが何頭も集まっているのに、彼らはほえないので、静かでまったり。夫がおそるおそる触っても、クールなまま。ということで、その日のうちに、夫も、「グレイハウンドいいねー」と言い出すようになったのです。あまりの変化に私の方が驚くほどでした。

そして、昨年末、いよいよGAPにadpotionの申請をしました。すぐにボランティアの女性が家をチェックしに来てくれて、フェンスを高くしなければならないことを確認。この国では、犬をくさりでつなぐことは虐待とされており、敷地内を自由に動き回れるようにするために、フェンスで囲むことがGAPの引き取りの条件の一つなのです。

そこで、夫が2月の炎天下に週末をつぶして、フェンスの高さを延長して、3月に審査を受けて、晴れて合格!

4月に、「この子がいいね」というめどをつけて、引退したグレイハウンドたちがいる犬舎に夫と二人で見に行ってきました。事前に希望を連絡していたのは、雄で茶色。ところが実際に見てみると、大きい! 立ち上がると、私なんか押し倒されます。オーガナイザーの人によると、「この子は非常に活発なので、あなたたちのような都会に住んでいる家にはむかないと思う」とのこと。そして、何匹か紹介してくれた中で、一番おとなしくて、一番小さいZoeが我が家にやってくることになったのです。犬舎ではすごく小さく見えましたが、それでも24キロあるので、家に帰ってみたら、なんだか急に部屋が小さくなったような感じでした。

ゆきちゃんは、とにかく物静か。さびしくてきゅんきゅんすることはあっても、ほえる、ということはありません。だから番犬としてはまったく役に立ちません。ゆきちゃんが我が家にやってきてから、かれこれ2週間以上過ぎましたが、「ワン」という鳴き声を聞いたのは、つい数日前。それも1回きり。雨が降って、なかなかお散歩に行けなくて、ついにがまんができなくて、「さんぽ!」と発言したようです。

そして人間が大好き。膝枕が大好き。すきあらば、座っている人の横に来て、体をごろんと投げ出して、寝そべります。でも犬はこわくって、自分よりはるかに小さい犬でも苦手。これから友達を作っていかないとね。

犬初心者の私たちにとって、お風呂に入れるのも、えさをやるのも、散歩に行くのも、歯を磨いてやるのも、一つひとつが大騒動。でも、穏やかなゆきちゃんのお陰で、楽しい毎日を送っています。

ゆきちゃんと一緒に、いっぱい、いっぱい、楽しい思い出を作っていきたいと思っています。

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娘と歩くゆきちゃん。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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