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全国一斉熟睡プラ寝たリウム

アース

通訳・翻訳者リレーブログ

ある日の夜7時頃。オットのあきらくん(本名にて出演)からメールが入りました。「トラブル発生。おそくなる」。やれやれ。

先に夕食を食べてお風呂に入り、遅いなぁ〜もうおねむの時間ですよ、と思っていたら、ようやく帰ってきました。

「おそかったね。どったの?」
「まいったまいった。月が満ち欠けしなくなった」
「えっ。そ、そりゃたいへんだ!! で、直ったの?」
「とりあえずごまかしてある。土星が犠牲になったけど。
  一時は満月のまま変わらなくなって、焦った」

これ、本当にあった会話です。いえいえ、彼は惑星管理委員会の責任者でも、神様でもありません(笑)。

種明かしをしますと、あきらくんは某地方公共天文台/プラネタリウムの解説員 兼 天体観望会係 兼 整備士さんなのです。で、その日はプラネタリウムの機械の調子が悪く、月の満ち欠けシステム(?)がうまく働かなくなったということのようでした。我が家では、たまに、こういうヘンテコな会話がかわされます。

それはともかく、プラネタリウム。

おそらく、いままで「一回も見たことないです」という人はいないでしょう。星に興味がなくても、小学校か中学校のときに、遠足とかで強制的に連れて行かれましたよね。その後も、一度や二度は見たことのある人が多いのではないでしょうか。

で、子どものころや、星なんかそっちのけのデートのときは別として、眠気をこらえきれずに寝てしまった人、いませんか?いるでしょ?いるはずです。最初から眠気をこらえる気がまったくない人もいますが。

電車と違って、大口開けていても、よだれをたらしていても、誰にも見えないし、ま、数百円払って熟睡できるなら、それもよし?

お空が明るくなってプラネタリウムから出るとき、解説員さんに「すっかり寝ちゃいました〜わははははは」と明るく自己申告する人もいますが、いささかの後ろめたさを感じながら、うつむいて解説員さんの横を通っていく方が多いのではないでしょうか。

そこで。

勤労感謝の日。プラネタリウムで、何の後ろめたさもなく、ぐっすり眠って日頃のお疲れをとっていただいちゃおう!というイベントが、全国12のプラネタリウムで行われました。このイベントの発案者は明石市立天文科学館の館長さんだそうで、3年前は同館のみ、昨年は全国7館で、今年はさらに増えて12館で行われました。そして、我が家の近くの某館(あきらくん勤務先)でも、同様の催しが行われました。

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 「全国一斉熟睡プラ寝たリウム」のポスター。少し光ってしまいました。

earth15.JPGプラネタリウムの中はどうしても無機的な感じがしますので、少しでもほっこり感を出そうと、我が家のリラックマさん出動。寝袋に入ってだらだらしてもらいました。

earth16.JPG同じくほんわか感を出そうと、セサミストリートの人たち(?)にもご登場願いました。

そして・・やっぱり解説員さんも、Yシャツネクタイじゃ、ね? 雰囲気がでないので、やはりパジャマでなくては。

earth17.JPGってことで、自前のウシ柄のパジャマを来て、毛布を抱え、お客さんをお迎えするわが配偶者・・。右側にいるお客さん、心なしか、見てはいけないものを見た・・という雰囲気。

しかし「寝る気マンマン」のお客さんも多数。毛布や枕、いつもだっこして寝ているぬいぐるみを持ってきた家族連れもたくさんいました。

earth18.JPGお互いに毛布を抱えて話をする解説員とお客さん・・異様な光景です。

なかには、「熟睡プラ寝たリウム」ということを知らずにたまたまやって来て、何がなんだかわからないまま、ワケのわからない人たちに囲まれて、プラネタリウムに入っていった人もいました。

earth19.jpg「いびき席」。いびきが気になる方は最初からこちらへどうぞ。

earth20.JPG寝る気マンマンの人たちで埋まっていく座席。

投影中の撮影はさすがに無理なので、写真はありません。解説員氏の目標は、「全員、熟睡に陥れること」。そのため、音楽は静かめのピアノ(ドビュッシー)とハープからの選曲。低音の落ち着いた口調でゆっくりと、たんたんと、眠気を誘うような語り口。

最初から最後まで(約50分間)、お空のすみっこにあるような星座や星の名前、それにまつわるギリシャ神話の様々なエピソード、宇宙の成り立ちに関する話、話題のアイソン彗星の話、宇宙ステーションの話、流れ星の話うんぬんかんぬん、浮世離れした内容が、よくまあ大量に頭に入ってるものよ、と呆れ、もとい、感心しちゃいました。でもま、餅は餅屋、翻訳は翻訳屋ってことですね(「お仕事は?」「翻訳やってます」「ええ〜すごい!」という会話になるたび、いったい、他の職業と比べて何がすごいのか、説明してほしいと思うわたしです。歯医者さんにそう言われたときは、特にそう思いました)。

あまりに浮世離れした内容に、つい眠気をもよおします。

普通、プラネタリウムは、ぐいぐい時間を進めてあっというまに太陽を沈め

たり、「夜中まで時間を進めましょう」とかいって、ぐい〜んと回したりしますけど、この日は日の入りから日の出まで、一度も止めず、進めず、ずっと同じスピードで回したのだとか。なるほど〜。プラネタリウム、あんまり速く動くと、目が回りますものね。

早い人は、暗くしてから10分くらいですぐに寝息を立て始めました。控えめないびきの人も、何人かいました。普段のプラネタリウムでも、たまにものすごいいびきをかく人(主に男性)がいます。隣に座ったおかあさん、ヒソヒソ声で→「ちょっとおとうさん!!!」 ばしっ(たたく音)「んがっ」・・ってこともあります。

慣れているはずのわたしも、うっかり5分くらい寝てしまいました。

投影後に行ったアンケートを集計したところ、熟睡率28%、うとうと率44%、完徹率が28%という結果が出ました。う〜ん、微妙な数字。解説員氏、来年こそは熟睡率100%を目指す!と決意を新たにしたのでした。

earth21.JPG投影中に入眠し、全員が起きてもまだ起きず、プラネタリウムの外まで連れ出されてもまだ起きない女の子。そのまま車に積まれていきました。いつ目を覚ましたんだろうなあ。

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お帰りのときに、自己申告で、熟睡した人には「熟睡証明書」、その他の人には「完徹証明書」が配られました。

来年はもっと実施する館が増えると思いますので、皆さんもお近くのプラネタリウムに行って、熟睡してみてはいかがでしょうか。

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記事を書いた人

アース

金沢在住の翻訳者(数年前にド田舎から脱出)。外国留学・在留経験ナシ。何でも楽しめる性格で、特に生き物と地球と宇宙が大好き。でも翻訳分野はなぜか金融・ビジネス(英語・西語)。宇宙旅行の資金を貯めるため、仕事の効率化(と単価アップ?!)を模索中。

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