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夏にふさわしい音楽

ガットパルド(gattopardo)

通訳・翻訳者リレーブログ

・・・ってね、そんな、たいしたことを書くわけではないんです。
ふっと、パリの話にもそろそろ飽きたし、次の話題は何にしようか・・・と思って。このサイトには、通訳や翻訳の現場の仕事の話を、まず書くべきなんではないか、という思いはあるの。でも、最近私に舞い込む話ときたら「あまり公にしないでほしい」という断りつきの翻訳依頼だったり、アメリカ出張という大きな予定まで組まれているんだけど、半分はあそびみたいな、高校時代の友人から頼まれた某舞台プロジェクトへのヘルプだったり、どうも「真面目な本格派の仕事」というふうには、書きづらいことばっか。
でもね、誤解のないように言っておくと、私にとっての「ビジネス」の概念は「心と体と頭脳を使って、人の役に立つことをし、その報酬として、契約関係にもとづいて金銭の授受が行われる。」ことです。この定義にあてはまることなら、頼まれればなんでもやっていますよ、はい。
前置きはここまで。
まあそんなわけで、あまり仕事のこと大見得を切って書けなくて、すみません。
じゃあ、何を書こうかな・・・とふと考えて、最近、冬からずっと聞いてるCDやテープが「どうにも暑苦しい・・・」なあ、と。衣替えよろしく、普段のBGMも、だいたい6月を境に夏向きのものに変えるんだけど、今年はその時期にパリにいて、うっかりタイミングを外してしまった。ずるずると「冬物」を聞いてたら、なんだか梅雨の雨が耳にまでじっとり降ってきそうな感じがして、いかんいかん、音楽を変えなくては! と、ここ何日か思っている。
しかし、いざ「さわやかな音」を選ぼうと思ってみても、なかなか良いものが浮かばない。ただひとつ、井上陽水の「なぜか上海」という曲を聴くと、どういうわけか隅田川花火とか、ノースリーブを来てジェットコースターに乗ってる気分とか、そういうイメージが浮かんで「あれは、なぜか、夏っぽい。」とか思うので、陽水氏のベスト盤というのが、まず毎年の必須アイテム。
クラシック音楽だと、ドイツの作曲家のものはあんまり夏に聞く気がしない・・・例外はバッハの「G線上のアリア」で、あの曲は、どういうわけかエアコンみたいな効果があって、部屋の温度が下がる気がする。
では自分の得意分野のフランスのシャンソン、イタリアのカンツォーネはどうか?というと、これは、どっちもあまりよくない。シャンソンはどの曲を聴いても景気がいい感じがしないし、カンツォーネ、とくに南イタリアのナポリ地方のメジャーなものに至っては、かえって暑苦しさが増すばかり。
あ、でも、あまりものごとを真剣に考えたくない季節には、エリック・サティとかが妙にハマる。枯葉の季節以降になると、軽すぎるきらいがして気にいらないんだけど。そういえばサティの生まれ故郷のオンフルールという港町に去年の夏、行ってみたけど、なんともまあ、得体のしれない現実ばなれした観光地でした。うん、あの雰囲気を東京の片隅で脳裏に再現して、さらさらさら〜〜〜っと夏をやり過ごすのはいい考えかも。
深夜に放送してる「カウントダウンTV」ていうの、ときどき見てるんですが、いやはや、老若男女、東西新旧とりまぜて、いろんなミュージシャンさんがいますね。そして、舌を噛みそうな名前のユニットのなんと多いこと。最近の流行にはもう、ついていけないわ、悲しいけど。
あと1ヶ月もすれば、また秋を先取りして「おもわず顔が下を向いてしまいそうな」曲が恋しくなるんだから。
八月の、第壱日目の、思いかな。

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ガットパルド(gattopardo)

伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで!

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