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光陰矢のごとし

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 以前社内翻訳者として勤務していた会社を退社したのが、2006年の6月末。早いもので、あれからもうすぐ丸一年が過ぎようとしています。初めての本格的な在宅翻訳者としての生活は、最初は決して思い描いていたほど順調にはいかなくて、戸惑いの連続でした。仕事がなくて不安だったり、提出した仕事に対する反応が見えなくて再び不安になったり、おしゃべりの相手がいなくなって寂しくなったり、慣れないスケジュール管理に躍起になったり、仕事とプライベートの切り替えがうまくいかなかったり、と勤務していた頃には想像もつかなかった精神状態を行ったり来たりしました。でも、そんな日々も重ねてゆくにしたがって少しずつ成長してくることができました。一年をかけて、ゆっくり、ゆっくり、目指す在宅翻訳者としての像に近づいてきたように思います。そして何よりもこの一年間で痛切に感じたこと。それは、周囲の人たちが与えてくれる恩恵の大きさでした。以前にちょっとしたことで知り合いになった人からお仕事を紹介してもらったり、別の仕事でお世話になったコーディネーターさんから新しいお仕事を紹介してもらったり、以前の職場の仲間と今でも当時と変わらない友情を維持できていたり、地元の友人が変わらずに仲良くしてくれて、ちょっとした発散の相手になってくれたり、そして何よりも、家族が私の状況に変化に理解を示して辛抱強く見守ってくれていたりと、今思い返しても、いくら感謝してもし足りないほどの恩恵を被ってきたのです。今の私が、日々お仕事をいただいて、元気にその依頼に取り組めるのも、そのおかげで学校から早く帰ってきた息子を家で迎えてあげられるのも、そして、その合間に趣味の時間を再び持って、楽しみを見出すことができるようになったのも、周囲の方々一人ひとりのおかげなのを、今、痛いほどに実感しています。これから迎える在宅翻訳者生活二年目、ますます周囲の方々への感謝の念を忘れることなく、また一歩一歩を踏みしめて、理想の翻訳者、そして理想の人間像に近づいていきたいと思います。皆様これからもどうぞ温かく見守っていてくださいね。

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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