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ひゅうま君のこと

フレッヒ

通訳・翻訳者リレーブログ

  

 私が育った田舎の近所に「ひゅうま君」と言う
年下の男の子が住んでいました。

 ひゅうま君のおうちは大家族。確か上に2人のお姉さん、
下に2人の妹さんが居たと思います。

 ひゅうま君はその名前ゆえ、小学校に行くと
いつもからかわれ、登校する前には自分で自分の
体を庭の木に縛り付けて、学校に行かないと泣き叫び
両親が毎朝木から引っ張り剥がすのが大変だったと
それを毎朝の様に見ていたと言う近所のおばさんに
先日たまたま聞きました。

 注:ひゅうま君は当時一世を風靡していた
漫画「巨人の星」の主人公、「星ひゅうま」にちなんで
名付けられた為。私もその当時は、「星ひゅうま!」
何て言いながら、ライターを目の近くにあてて、
(ひゅうまは精神的に燃えて来ると、目の奥にまで
 炎が灯り、文字通り燃えていた)
ひゅうまごっこをやり、前髪にライターの炎が付き、
前髪半焼と言う馬鹿な事になっていました・・・。

 私、当時同じ登校班だったのに、そんな凄い事
どうして覚えていないんだろう。

 その位、ひゅうま君は私の記憶の中では
とっても明るい子で、
町内の子ども会では人気者だったし、
皆をいつも笑わせていました。

 きっと学校以外でも遊ぶ事の出来る
たくさんの友達や、遊び場、つまり彼なりの
逃げ場がたくさんあったからでしょう。

 少し前からボクシングジムに小中学生が
数人来ていますが、とても大人しく、挨拶さえも
きちんと出来ない男の子たち。
でも、ジムに来るにしたがって
少しずつ表情が変わってきているのが目に見えて分かります。

 これはあくまでも私の想像ですが
何か彼らなりにストレスを抱えていて、
その逃げ場、ストレスのはけ口として
ボクシングジム来ているのか、
あるいは何かに対して強くなりたいと言う願望が
ボクシングを始めると言うきっかけになっているのでは
と思うのです。

 私の田舎や、今住んでいる土地にも
昔よりは減りましたが、まだザリガニ釣りや
糸トンボ捕りが至る所で出来ます。
そして子ども会など
地域の横の繋がりの活動も盛んです。

 そんなひゅうま君の話を聞いた日は
実家で「三峰様」と言う行事があり、
火から家を守る火難除の神様として有名な埼玉の三峰神社に
町内の殿方の代表が参拝に行った後、神社から持ち帰った
御札に近所の家主が集合し、祈祷して火災から
今年も町内を守りましょうと言う会に、私が実家の母の
代役として炊き出し隊に参加したからでした。

 公民館で殿方のための宴会の準備をし、
豚汁を作り、つまみを用意し、お酌をし・・・なんて
あ〜、めんどくさい!何でこう言う時に肝心の母居ないんだよ!
私はもう嫁に行った立場なのにィ
なんて思いながら、実家近くの公民館に向かったのですが
久々に近所の様々な世代の方々に遭遇し
懐かしい話も聞けて、考える事も多く、
こう言う行事も悪くないなあ〜と思った夜でした。

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記事を書いた人

フレッヒ

高校時代をドイツで過ごし、日本の大学を卒業後、再び渡独。ドイツでの日本企業勤務を経て10年前よりフリーランスドイツ語通訳者として活躍。車関係全般・ジュエリー・スポーツ関係・整形外科分野を得意とする。普段はワイン・焼酎をこよなく愛し、庭で取れたハーブやジャガイモで主人や友人達とBBQしながら休日を過ごすのが大好き。そして大の八重山諸島フリーク。

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