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春の日

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

私の自慢のひとつは、日本でもっとも早く花粉症にかかった人間のひとりだということです。もう40数年前、アレルギーということ自体珍しかった頃発症し、あちこちの医院を訪ね歩いたあと、お父さんの耳鼻科を継ぐために大学病院を辞めたばかりの若い先生が、ひょっとして文献で読んだあれかも……と原因を究明してくれたのでした。1960年代に花粉症だったって人、まだ会ったことないですからね。
体が丈夫なわりに/せいか、ありとあらゆるものに比較的軽度のアレルギーがあり、食べ物でも大豆や、バラ科の果物を食べると、口をめくって掻きたいような状態になります。桃を食べると口の周りが赤くなったりして、それでも食べるんですけど、キウイはごく少量でもだめなので、ケーキの飾りに入っていてもよけます。外国に行っても、いわゆるHay feverの時期は顔が腫れあがり、ニューヨークでなんだか黄色いふわっとしたものが街にあふれてるなあ、と思ったとたん咳が止まらず、肋骨にひびが入るほど咳き込み続けたこともあります。私は、すぐ抗ヒスタミン剤に頼ることにしていて、世界各国のオーバーザカウンターものの抗ヒスタミン剤が家にあります。外国のは強力でふらふらになるけど、一発で効くので好きです。
ところが、です。この花粉症、発症後30年を経過した頃から、症状が急激に緩和し始めたのです。で、今年はほとんど無症状。朝起きて、一、二度軽くくしゃみが出る程度で、日中はまったく平気です。去年もまるで無症状だったのですが、去年は花粉自体が少なかったから、と思っていたのに、今年も。花粉症の皆さん、希望が出てきましたよ。30年すれば症状は軽減していきます。20代でがんばって通訳していた頃、ブースの中でティッシュを鼻に詰めていたのですが、現在そんな毎日を送っているあなたも、いずれは春先、戸外での通訳も悩まずにすむ日がきっとやってくるはずです。えっと、そんな頃には集中力を持続させて通訳し続けることが、辛くなっていたりするんですけど。

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記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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