BLOG&NEWS

関西人

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

先週のthe apple of my eyeさんのブログ、さらにお話当番の名坂さんの内容にちょっと反応してしまいました。こうやってすぐ調子に乗る関西人の性癖が嫌われたりするのもわかっているのですけれど、昔ほど関東における関西弁アレルギーが高くはなくなった気もします。表立って、「関西人は嫌!」と宣言する人に最近は会わなくなりました。
私は京都の極めて中心部に育ったので、いまだに実家に帰ると「知らんえ」とか「かんにんえ」と言う話し方を普通にしますが、大学が神戸の近く、友人は大阪人だったので、京都弁、神戸弁、大阪弁のトライリンガルです! この三つの顕著な違いが出るのは、「来ない」という表現で、京都弁は「きいひん」、神戸弁は「こおへん」、大阪弁は「けえへん」と活用の仕方が異なります。
ともあれ、私自身最近気にかかっていたこととしては、味への慣れです。関西人は基本的にコストパフォーマンスを考えると関西の食べ物のほうがおいしいと信じているところがありますが、個人的にはうなぎやおすしは江戸風のほうが関西風のよりおいしいし、とんかつは東京で食べるほうがコストパフォーマンスも高いと思います。さらに冷蔵の輸送手段が今ほど発達していなかった頃には、京都では青い魚をお刺身で食べることなど考えられず、東京に来て初めてアジのお寿司を食べて、そのおいしさに感動したりしました。
しょうゆ味のうどんも最初は、げっと思いながら、味の傾向としてそれほど異なるものではないので、わりと早くに慣れました。時間がかかったのは卵焼きです。ダシをたっぷり入れる出し巻き卵が、家庭でもどこでも出される「卵焼き」の概念だったので、甘くて硬い卵焼きはカルチャーショックでした。たとえば、茶碗蒸しだと思って食べたものがプリンだったらショックでしょ? いまだにお寿司の盛りに入っている卵は、一緒に食べている人の盛りに入っている他のものとトレードに出します。それでも、昔ほど、絶対嫌、というほどではなくなってきました。甘い卵焼きを時折食べてしまう自分に、こちらの生活の長さを思うのでした。

Written by

記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

END