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現場通訳なんてのもあるんです。

背番号8

通訳・翻訳者リレーブログ

自宅のPCが数日ダウンしていて翻訳作業はできない上、ブログ書き込みも間に合わないかと思いましたよ。セーフ!原因はモデムだったのですが、寝て起きたら壊れてるモデムってどうよ...。

しかし常に快適な室内で通訳・翻訳しているわけではありません。時には野外での活動も。以前某テーマパークでお仕事した際は「どこをとっても立派な建設現場」で朝から晩まで過ごす日々でした。しかも照明チームの通訳の担当をしていたため、野外だと「火山のてっぺん」とか「ピラミッドのてっぺん」とか建物の中でも「キャットウォーク」とか必然的に作業は高い所なんですねこれが..(←高所苦手。凝固しつつも「今自分はここにいない。自分はここにいない」と必死で現実否定しながらの作業)。しかも照明の調節=暗くないとできないということで寒風吹きすさぶ中夜間作業があったりと、もはや通訳スキル以外の何か(それを何と呼ぶのかは微妙。近いのが気力体力か?)がクリティカルな要素に。もちろん装備は万全、ヘルメットに安全靴に安全ベルト着用です。この姿とても通訳には見えまい。どうだ!現場に出て戻ってくると溶接の火花でナイロンのジャケットに穴が開いてたりヘルメット型に髪の毛がぺったんこになってたりも。そしてペアを組んでた同僚は通訳なのに何故かスタッフ化(見た目も作業内容も)しており、現場の作業者の方に「今日は通訳さんいないの?」なんて言われてましたが。

ただし見事に完成したものを見ると改めて感慨深いものがあります。あれだけ規模の大きなものを作る過程にちょっぴりだけでも参加できたのは良い経験でした。御札の様に全身ホッカイロを貼り付けて頑張った甲斐があったというものです(←寒さも苦手)。

あと何よりも通訳同士のネットワーク、人脈を築けたのが何にも変えがたいかと。当時ものすごい人数の通訳が集まっていたのですが、あれだけ密に情報交換ができる場はもう今後なかなか無いのでは。そこで知り合った通訳仲間とは今でも仲良くしていますし、時にはお互い自分の引き受けられない仕事を紹介したりと、ああ美しき通訳コネクション!本当にあの時(今もですけど)は皆さんお世話になりました!

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記事を書いた人

背番号8

イギリスに長期留学後、インハウス通訳者として数社に勤務。現在は、フリーランス通翻訳者として活躍中。若手通訳有望株の一人!

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