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Steve Francis

通訳・翻訳者リレーブログ

世界水泳、世界陸上を見ていたら、あるスポーツ選手の事を思い出しました。彼の名前はSteve Francis、現在オーランドマジックの選手です。去年某スポーツブランドのプロモーションイベントで何日か仕事をしました。スポーツ選手といっても色々ありますが、バスケットボールは1チームの選手の人数が少ないため、トップの選手の年収は莫大な金額になります。実はその前の年もNBAの仕事でバスケットの試合の合間のインタビューをする機会があり私の中ではある種の既成概念が出来ていました。あまり良いイメージを持っていなかったのにFrancis君は違っていました。インタビューに答えるうち、彼は母親一人の手で育てられた事、その大切な母親を高校生の時に亡くした事が分かりました。その時彼の妹はたった5歳だったそうです。どんな境遇でも、一生懸命頑張ればきっと夢が叶うということを自分の妹に示したかったと彼は語っていました。母親を亡くして絶望的になっている妹に、希望を持って欲しかったから自分が成功することでそれを示したかったそうです。自分の身長(191センチ)はバスケットの選手としては低いので、人より努力をしなくては自分の夢は達成できないと考え、常に練習を怠らないそうです。
去年は異常な猛暑、私は記者関係のインタビューのみをする予定だったのですが、なぜかスケジュールの中に入っていた高校でのバスケットクリニックの分もやることになり、(つまり冷房のない体育館で高校生を相手にコートの端から端まで走りながら、生徒にコーチをする彼についてコートで動き回る羽目にってしまいました。)記者会見と思っていたので、ジャケットを着ていった私は、走りながら、訳しながら、Francis君のタオル持ったり、ボールを持ったりで大変暑い思いをしたわけなのですが、彼の人柄と熱意で不満を言う気にもなりませんでした。時間の合間に妹に電話をして、お土産になにを買って欲しいかなんて、聞いていました。本当に優しいお兄さんです。怪我をしないで、これからも頑張って欲しいです。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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