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3As and 3Cs

通訳・翻訳者リレーブログ

ドロシー・ノルト博士が再び来日し、インタビューや講演での通訳を務めさせていただきました。多くの記者が博士に必ずと言って良いほど聞く質問、それは子育て秘訣です。
どうしたら“切れやすい”子供にならないか、子供の頃に良い親子関係が築けなかった場合、ティーンエージャーになってからどうやって再び良い関係を取り戻すことができるか、親子の関係や学校において先生との関係を良くすることが出来るかなど、現代の母親なら皆抱えている問題解決の答えともなりうる事です。その中で博士が紹介したのが3Cと3Aの概念です。communication、connect, careの3Cとappreciation, affection (又はaffinity)、acceptの3Aです。人間関係の基本はcommunicationでありそれは人とconnectすることによってなり立ち、又相手をcareする気持ちを常に伝えることが大切である。子供に対して常にaffection(又はaffinity)を持って接し、またそれを表現すると同時に、子供に過大で非現実的な期待を持つのではなく、子供をありのままにacceptすること。物事を常にappreciateすることが大切であるとの事でした。これは子供との関係だけではなく、もっと幅広く、会社や一般社会での人間関係にも適用することが出来ます。なるほどとうなずけることばかりで大変勉強になりました。子供の視点でものを考え、規則を守らないことを叱るのではなく、規則を作る時点でも子供を参加させることで自分達の規則であることを認識させる。又、どうして守らなくてはならないか、何故そうすることが大切なのかをきちんと理解させておくことが大切である。博士の説明は全て大変わかりやすく、又明らかに理にかなっているのですが、いざそのようなことを日常生活の中で実行しているかというとそうでもないものばかりでした。博士は落ち着いた物腰と笑顔で大変穏やかに対応されていますが、言葉には大変敏感なかたで、会話の中で使われる言葉の表現が適切でないと、すぐにご指摘なさるので、通訳をする立場としても大変緊張しましたが、沢山の有意義な考え方を学ぶことができ、私にとっては貴重な体験でした。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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