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やっちゃった!

the apple of my eye

通訳・翻訳者リレーブログ

先週、週1で通っているテニスのレッスン中に、比較的新しいシューズのかかとが室内コートのカーペットに引っかかり、「あ!」と思った次の瞬間、どん!とお尻から落下。体がちょっとバウンドしたのを感じたが、それ以前に尾てい骨の周辺に激痛。そのまま突っ伏して動けなくなってしまった。ボールを追っていた場面ではなかったし、床の上でボールを踏んづけたわけでも誰かとぶつかったわけでもないのに転倒するなんて、情けないったらありゃしない。でも、その時はそんなことも考えられず、ひたすら痛みに耐えるだけ。駆け寄ってきてくださったレッスン仲間やコーチたちが声をかけてくれるが、上手く返事もできない。165センチという比較的大柄な私を何人かで抱えてコートの外に運び出してもらっても、誰が担いでくれているのかもわからない状態。出産以来の痛みだわ、これ。
レッスン仲間には人生経験豊かなメンバーが揃っていらっしゃるので、「動いちゃダメよ」「とりあえず冷やして。誰か、冷却材!」「無理したら年取ってからくるわよ」「お子さんは? 急ぐお迎えとかないの?」「まず整形外科に直行ね」「○○外科がいいわよ、いい先生よ〜」「何使ってここまできてるの、車?自転車?どっちにしてもダメね、タクシーだわ」「いいえ、いっそ救急車よ、座れないでしょこの状態じゃ」と、私がほとんど言葉を発しないうちに、あっという間に手筈が決まり、救急車が呼ばれてしまった。
意識がハッキリしていて、死ぬんじゃないかという苦痛があるわけでもないのに救急車で搬送されるのは、かなり恥ずかしい。ストレッチャーに乗せられ例のオレンジ色の毛布の上からバンドで固定されて運ばれると、病院の中で一斉にいくつもの視線がこちらに集まるのを感じる。レントゲン撮影を待つ間の恥ずかしいこと。殊更にうつ伏せになって顔を隠していた。
幸い、骨が欠けてるとかヒビが入ってるとかズレてるとかいう問題はないとのことで、診察が終わる頃にはそろそろとすり足で歩けるようにはなった。処方された痛み止めと消炎剤を飲むと、その日のうちにじっとしている分には痛みを感じない程度にもなった。ただし、長時間いすの上に座っているのは無理。座っているときって筋肉なんか使っていないようで使っているのね。立った状態でまっすぐ歩くことはできるが、前屈みになるとかしゃがむとか座るとか立つという動作が苦しい。意外に、くしゃみや咳、ばか笑いもひびくのだ、お尻の周りの筋肉には。
翌日になると、落ちた瞬間にやはり頭を守ろうと反射的に力が入ったのだろう、首から肩、背中に欠けての筋肉がバリバリになっていた。ラケットを持っていた右手はなんともないが、左手の親指の付け根が痛いということは、一瞬左手を床についたのだな。お尻の他にもあちこち痛い。
いやはや、運動不足になりがちな生活を改善するために始めたテニスで負傷とは、うまくないなぁ。ここ数ヶ月間で溜まりにたまっていた疲れが出たのか、実は転倒の前日まで2日間ほど腸機能も停止してご飯が食べられていなかった。そんな体力低下が転倒の要因かもしれない。ここはいっそ、ゴールデンウィークを利用してすっぱり仕事を休み、心身ともに休養させるのが得策のようだ。いや、本当はこんな事態になる前に自分で体から出ているシグナルを感じ取ってコントロールすべきだったのかもしれない。きっとそうだ。幸い今回は仕事で穴を開けずにすんだが、もしも未納品の案件を抱えていたら、それで「即、入院です」なんて言われていたら、いや、一時的にでも意識不明になっていたら……と思うとぞっとする。
健康管理を含めた自己管理、まだまだ未熟であることを実感したできごとだった。

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記事を書いた人

the apple of my eye

日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中!

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