ENGLISH LEARNING

第5回 隙間時間活用!寝る前、トイレ、シャワー音読勉強法!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

 前回は、日本料理の味付けのコツに「さしすせそ」の順番があるように英語にも勉強がうまく行く順番があり、英語の学習の場合、「さ」と同じような役割を果たすのが単語になることをお話しました。

 単語の意味が分かるからこそ、早く文法の基本も理解でき、発音もすんなり記憶でき、リスニングも聞き取り易くし、応用の表現力もすぐ覚えられるからです。

 さらに、単語を効率良く勉強するためには「聴覚派」と「視覚派」に分けられ、それぞれ、自分にあった勉強法を活用することが良いことをお話しました。

 今回は、単語の意外なでもとっても効果的な勉強法の続きを私の実体験を元にお話していきます。

 短大を卒業した翌月の私の所持金はわずか6円でした。そこから英語の勉強をスタートし、コネもなく、才能もなく27歳で年収1000万を達成。そして、ノーベル受賞者やカーリー・フィオリーナなど著名人の通訳やシンポジウムの同時通訳もさせいただきました。

 しかし、短大時代の成績はブービーでしたし、卒業式も、私ともう一人だけが出席した特別な式で卒業しました。

 ここでお伝えしたいのは、私が学生の頃から英語ができたわけではなかったということです。正直、自分自身は「頭が悪い」と思っていました。

 私が入ったゼミの発表でも他の学生が1時間プレゼンテーションするところを、私はたったの5分で終わったのです。ゼミ生の視線が痛かったことはっきり覚えています。

 そんな自分がなんで500点もTOEICが上がるほど単語を半年で覚えられたのだろうか。

 その時の自分の軌跡に戻ることによって皆様があっという間に習得できる勉強法が明らかになるのではという期待を持って振り返ってみたいと思います。

 ある日、ある英語学校で強制的に買わされたTOEFLの単語の参考書を見ながらこんなに沢山覚えられないしどうしよう、と悩んでいました。

 その時に、短大でブービーだった私でも覚えている言葉がある。なぜだろうと自問自答しました。

そして、出てきた回答は「その単語に何度も出会った」から。

 それであれば、意図的に「何度も出会うようにしてしまえば覚えられるかも!」でした。

 何度も何度も何度も何度も何度も出てくると当たり前になり自分の言葉になる。

 要は「習うより慣れろだ!」と開眼したのです。

 その翌日、学校の宿題をクリアフォルダに入れて書類を整理している時に、透明のページの中に入っている紙を取り出していました。

 その紙を捨てようとした時に「この紙が勿体無い!何か使えないかな」と思い、サインペンを使って覚えられない単語を書いてみたのです。

 そしたら以外と綺麗に書け、ちょうど慣れるのにも目に常に入ったらいいかもしれないと思い、その紙を部屋中にセロハンテープで貼りました。

ただ、暗記するのは辛いし、何もしないのも罪悪感があるし、とりあえず「習うより慣れろ」だから音読してみようという気持ちになりました。それ以来、夜寝る前に音読して寝るという習慣が始まりました。

 その翌日、学校に行くと、先生の質問に対して前夜に音読した単語が、するっと口をついて出てきたのです。正しい答えに先生も褒め言葉をくださり、それが嬉しくて、もっと頑張ろうという気持ちになりました。

 まさに3回目でお話したガス欠を防ぐ、中間地点のご褒美になったのです。

 そのおかげで、やる気を高めた私は、もっと身近に楽に覚える方法はないかなと考え始めました。しかし、アルバイトを三つ掛け持ちしながらの通学でしたから、座って勉強する時間はほとんどありませんでした。

 そこで、思いついたのは隙間時間の活用。

 一つ目がお風呂の時間。

 お風呂に入っている間何もしないのも勿体なく感じたので、A4の紙に単語を書いてクリアフォルダに入れて、セロテープでシャワーヘッドホルダーのところにぺたりと貼りました。

 そして、シャワーを浴びながら、音読を始めました。

 この方法もまた効果抜群の記憶術となりました。

 

 気を良くした私は、信号待ちの時には財布に入れた覚えられない単語シートを取り出しぶつぶつ、トイレの中にもちょうどドアの裏側で座ると目の前に見えるところにぺたりと貼りぶつぶつ。

 あげくの果てには学校の先生の発言をぶつぶつ繰り返して言うようになり、先生には嫌な顔されましたが、好かれることが目的ではなかったので、何食わぬ顔して実行していました。

 こうして覚えた単語は、使いたくてしょうがない状態になりました。

 ですから、先生が質問をすると真っ先にとにかく答えるようになりました。正解した時は嬉しくなり、もっと勉強したいと思うことで、動機エネルギーの充填ができました。

 たとえ間違っていても、逆に恥ずかしくて二度と忘れないようになりましたから、どちらにしても損はなし!と前のめりで授業料の元をとるべく、一人明らかに他の生徒とは違うテンションで参加していました。

 このように、試行錯誤しながら、当時は文字通り、無我夢中になって勉強しました。

 今回は、私が実際に思いついて実行した勉強法についてお話してきました。実際、この方法をお伝えして半年でTOEIC900点越えた方もいらっしゃいます。

 次回は、その後、通訳者として20年近く、いろいろな勉強を研究、実践してきた中で、最新の単語勉強法についてお話していきたいと思います。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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