INTERPRETATION

第23回 American Culture & Globalization

木内 裕也

American Culture and Globalization

 

昨年の12月から毎月2回ずつの更新をしてきたAmerican Culture and Globalizationレクチャーシリーズも、残り2回となりました。12月第2回目の更新をもって、最終回となります。そこで今回と次回は、これまでの内容を復習したいと思います。
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lecture23_1.gifさて、そもそも今回のレクチャーシリーズは、昨年の秋にHi Careerのために何か新しいコンテンツを作ることができないかという打ち合わせから始まりました。グローバリゼーションは、メディアなどでもよく耳にする内容で、多くの人に親しみのある内容であることに疑いはありません。しかし同時に、グローバリゼーションと聞くと政治や経済、金融にばかり意識がいってしまい、その全体像を正確に理解できていないのではないか、という印象が私にはずっとありました。そこでこのレクチャーシリーズでは、グローバリゼーションの中でもあまり語られることのない例を扱って、より深い理解を目指すことにしたのです。
 

lecture23_2.gif英語ではこれをOff the beaten pathと言います。Beatとは、「打ち負かす」という意味で使われます。Path(道)に形容詞としてつくと、これは「多くの人が通った道」という意味です。多くの人が通ったので、Beatされていると言うことですね。そこからOffするわけですから、多くの人が通ったことのない道のこと。ありきたりでない内容のことを指します。
 

lecture23_4.gifグローバリゼーションをテーマにしてOff the beaten pathとは、Cultureが中心となります。どうしても日本にいると、金融や政治に関心がいってしまいます。それに問題はないのですが、例えば大学で「アメリカ社会」など、外国の社会をテーマにした授業を履修したことがある人はきっとお分かりになるとおり、日本では文化に対する意識が比較的薄く、歴史や経済、政治のことばかり話をする傾向があります。その意味からも、このレクチャーシリーズでは文化に焦点を当てました。
 

lecture23_5.gifグローバリゼーションによって、たとえばTaste(嗜好)が影響を受けます。例えば、2週間前にはワインとグローバリゼーションをテーマにレクチャーを行いました。もちろん、どの国が一番多くワインを輸出して、どの国が一番ワインを消費しているという議論もありましたが、私が焦点を当てたのは、ワインと言っても色々な種類があって、フランスワインも実はアメリカワインの影響を大きく受けていることなどでした。
 

lecture23_6.gifまた、何度も繰り返しましたが、日本はHorizontalでCollectiveであり、欧米はVerticalでIndividualisticということも話をしました。これはTasteではありませんが、PhilosophyやIdeaと関係のある内容です。このようなSoft powerによる外国の影響も、グローバル化では無視できません。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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