INTERPRETATION

第20回 Americanization & Globalization

木内 裕也

American Culture and Globalization

 

今週も先週に続いて、メディアとグローバリゼーションがテーマです。前回はテレビに焦点を当てましたので、今回はインターネットに焦点を当てます。
 

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前回のレクチャーでは、Mediaという単語が複数形の単語であり、Media isとするのは誤りで、Media areとするのが正しいと述べました。同じように、英語のレッスンから今週もはじめたいと思います。今週の単語はInternet。まず、Internetは常にthe Internetと不定冠詞のTheがつくことを覚えてください。また、InternetのIは一般に大文字で書かれます。例えばHi Careerというインターネットの一部を指す場合はinternetと小文字のIが使われますが、通常の意味でインターネットと言う時には、the Internetと大文字にします。不定冠詞についても、大文字と小文字の違いについても、Mediaの例と同じようにネイティブスピーカーでも間違えますから、気をつけましょう。
 

lecture20_2.gifさて、本題です。インターネットは世界規模のネットワークであることからも、グローバル化に大きな影響を与えることは想像に難しくありません。そこで、今回は特に4つの例に絞って考えてみたいと思います。
 1つ目は情報。インターネット上では様々な情報が瞬時に共有されます。例えば、最近は埼玉県志木市の荒川にアザラシが出没したとして話題になっていますね。これは世界のニュースからしてみれば、重要性は高いものではありません。それでもこんな風に情報がインターネット上では容易に共有されるのです。また、私はミシガン州に住んでいますが、今、どの電車が遅延しているのか、運休しているのかを簡単に知ることができます。このように瞬時に情報が伝達されるのもインターネット。情報のグローバル化が1つ目の例です。
 

lecture20_3.gif2つ目は人の動き。インターネット回線を使ったSkypeなどのサービスによって、安くコミュニケーションをとることができます。これは個人の電話だけではなく、ビジネスにとってもテレビ会議などで効果的。このようにVirtualな人の動きがインターネットで可能になります。しかしそれだけではありません。安価な航空券が手に入れやすくなったり、外国の情報を簡単に手にすることで、海外に行こうという気になったりすることもあります。これはインターネットによって、人の流れがグローバル化していることでもあります。
 また、お金の流れもあります。為替市場や株式市場だけではなく、例えば個人がアメリカやヨーロッパのAmazonサイトから商品を購入することが簡単にできます。当たり前のように考えがちですが、インターネットがグローバリゼーションの結果として起こったというだけではなく、グローバル化をより推し進める要因であることを如実に示しています。
 

lecture20_4.gif最後に、文化の流れ。Facebookのアカウントを持っている人も多いでしょう。数年前までは、アメリカ国内で人気が高く、日本ではMixiなどの優位性が明らかでした。しかし今はFacebookの人気に目を見張ります。他にも音楽や映画など、インターネットによるグローバル化は進んでいます。
 それでは、これらの事象が持つ意味は何でしょうか? よい、わるい、だけではなかなか判断できません。グローバリゼーションによって選択肢が増え、様々な情報が手に入るようになるのはいいことでしょう。しかし、Jose Boveの例で話をしたり、Anti-Americanismのときに話をしたように、Local identityが失われることは決して望ましくありません。グローバル化と聞くと、なかなかインターネットのことをなぜか考えることが少ないのですが、この点にも気を払ってオンラインでの生活をすることが必要でしょう。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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