INTERPRETATION

「欧州の旅3」

木内 裕也

Written from the mitten

 チューリッヒで1晩過ごし、翌朝はドイツのミュンヘンに向かいました。ホテル探しで歩き回るのは懲りたので、チューリッヒのホテルからミュンヘンの駅近くにあるホテルを予約しておきました。ミュンヘンに到着してすぐホテルにチェックインし、町の中心部へ向かいました。

 ドイツは数年前にニュルンベルクに行ったことがありましたが、ミュンヘンは初めてでした。小雨が降っていましたが、市内はにぎわっていました。ドイツといえばソーセージとビール。中心部の地下道にソーセージスタンドを発見し、そこで昼食代わりに早速ホットドッグを食べることにしました。アジア人の女性が1人で販売をしているスタンドで、イメージは夏祭りの屋台。言葉は全然通じませんでしたが、ソーセージを指差すと、そのソーセージをハンバーガーのパンのようなものにはさんでくれました。アメリカのホットドッグは長細いパンですが、ドイツ人は丸いパンにも挟むのですね(長細いパンもおいてありましたが)。200円もしない金額でしたが、なかなかの味でした。ベルギーでワッフルを食べながら歩いたように、ホットドッグを頬張りながら街中を歩いてみました。

 ホットドッグを買った地下街から地上に出ると、大きなマクドナルドが。The US and the Worldという私がミシガンで教えている授業ではマクドナルドと食文化のアメリカ化について講義をしていますが、それに丁度よさそうな店構えで、写真のように日本語を含む複数言語で「マクドナルド」と書かれていました。店内はとても混んでいて、人気のようでした。

 街中を数時間歩いた後、ドイツのもう1つの名物、ビールを探すことに。どこにでもありそうなお店に入るのはつまらないので、あちらこちらを歩いていると、Lowenbrauという有名なブランドのビアガーデンを発見しました。ミュンヘンはビアガーデン発祥の地。Lowenbrauは現地のビールですから、そこに入ってみることに。あいにくの天気で屋外はしまっていましたが、室内に入るとどこかの有名ホテルのバーのような雰囲気。格調高そうなウエイターが英語でサービスしてくれました。やはり本場は美味しいですね。

 翌朝はオーストリアへ。途中、懐かしいサルツブルグの景色を見ながらウィーンへ向かいました。ウィーンは今回の旅行で最も「時間が足りない!」と感じた場所です。もちろん1日程度で街を回るのは難しいのですが、ウィーンほど「あと数日なければ、街を見られない」と思った場所はありませんでした。綺麗な建物や公園がたくさんあり、とても雰囲気のよい場所でした。観光客がたくさん訪れるわけが簡単に理解できました。その中でも大きな聖堂には感銘を受けました。写真の通り黒ずんでいますが、巨大な聖堂に圧倒されるようでした。またそこから少し離れたところではクラシックの音楽演奏がされていて、アメリカの街中だとヒップホップのダンスですが、やはりオーストリア、と思わせる様子でした。

 ウィーンの大学の構内にも行ってみました。アメリカ研究を行っている研究者がいるか探してみましたが、地域研究はヨーロッパがやはり中心の対象であるようです。しかし現地の学生と少し話す機会があり、会話をしていると学生は比較的英語が堪能のようです。もちろんドイツ語やフランス語を学習する学生がほとんどですが、英語も日常会話程度なら不自由ないようでした。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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