TRANSLATION

第一回 コーヒーを美味しく入れましょう!

ンー・ソーキン

なるほど!英訳塾(実践編)

こんにちは!塾長のソーキンです。

今日から実践編と題して、毎回さまざまなテーマで英訳の解説指導を行っていきます。

第一回目の今日は、日常のリラックスタイムに愛飲している方も多い、「ドリップ式コーヒーの入れ方」を取り上げます。以下【日本語例文】はドリップバッグ

包装裏面に書かれている説明書きです。またその下には当塾生(読者の方です)が作成した英訳例を掲載します。この訳例を見ながら、今回の英訳の中で注意す

べきことや、上手な英訳のヒントなどを解説していきます。最後に、私の英訳例をご紹介します。

【日本語例文】 

グアテマラ (ドリップバッグ140cc用)
[ストレート] グアテマラ100%  挽き方:中細挽
〈ドリップバッグコーヒーの入れ方〉
1.折り返す 2.切り取る
バッグに付いているフックを折り返してください。 バッグの切り取り矢印に沿って切り取ってください。
3.注ぐ 4.出来上がり
フックをカップに掛け、ゆっくりと熱湯を注いでください。 バッグを取り外してコーヒーの出来上がり。
 *少量の熱湯で約20秒程度蒸らしてから注ぐとより美味しくいただけます。
 !熱湯を使用しますので注ぐ際と、バッグを取り外す際は、火傷に十分注意してください。

名称 レギュラーコーヒー
原材料名 コーヒー豆(生豆生産国名:グアテマラ)
内容量 10g
賞味期限 枠外右に記載
保存方法 直射日光・高温・多湿を避けてください。
使用上の注意 枠外上部に記載
販売者 株)ブルックスNK 横浜市青葉区美しが丘4-54-6

【塾生英訳例】

Guatemala (drip bag 140cc)
[ Straight ] Guatemala 100%  grinding method: medium-fine ground
〈How to make drip coffee〉
1.Fold back 2.Open
Fold back paper handles*1 attached on the bag. Open the filter by cutting off the upper slip along cut-here arrows*2
3.Pour 4.Ready to drink*4
Hang the handles of the bag onto a cup and slowly pour*3 hot water. Remove the bag and it is ready to drink.
 *First pouring a small amount of hot water to allow ground coffee to brew for approx. 20 seconds will enhance its flavor*5.
 ! Please watch yourself so as not to get burned*6 when pouring boiling water and removing the bag.

Name Regular coffee
Raw materials Coffee beans (raw beans produced in Guatemala*7)
Quantity 10 grams
Best-before Written on the right space outside this frame*8
Store method Please store away from direct sunshine, high temperature and high humidity*9.
Usage note Written on the upper space outside this frame*10
Distributed by BROOK’S Co., Ltd.
4-54-6 Utsukushigaoka, Aoba-ku, Yokohama

【解説】

  • 生英訳は全体的にとてもよくできていると思います。何箇所か改善が必要な点がありますが、これは塾生が原文を忠実に訳したからだと思われます。翻訳の自由

    度はどこまであるのかについては、私を含めてみんなが悩むことなので、これからこのコーナーで一緒に考えていきましょう。

  • ず、みなさんがこの課題の翻訳を試してみる前に、スーパーなどで実際に売られている商品の英語注意書きを調査してみたでしょうか。言うまでもないことかも

    しれませんが、どんな種類の翻訳文書でも、翻訳しようとする言葉(当塾の場合は英語ですね)で書かれた同じタイプの文書をじっくり読むことは、翻訳に際し

    て非常に有益だと思います。そうすることでプロの書き方を勉強することができるのです。

  • 次に、長さに注意しましょう。こ

    のような商品のラベルはスペースが非常に限られていますので、できるだけ短くしましょう。同じ言い方がある場合、意味が極端に変わらなければ、短い方を選

    びましょう。原文で使われている文型を忠実に再現したり、似たような表現を使ったりする必要は必ずしもありません。

  • それでは、細かいところを見ていきましょう。

*1  “Handles”というとどうも大きな取っ手を想像してしまいます。ここは原文の「フック」をそのまま使いましょう。

*2 

「切り取り矢印」はちょっとやっかいですね。外国製商品には切ってほしいところに点線を引いて、小さいハサミの絵、または小さい文字で“Cut/tear

here”

と示すのが一般的です。原文に二回も「切り取り」が出てきますが、それを忠実に翻訳すると訳文が冗長でくどい感じがします。ですから、簡単に

“Open the bag by cutting along the dotted line” としても、メッセージはちゃんと伝わると思います。

*3 

“Pour” は「注ぐ」の訳としては正しいです。ただし、大雨が降っているときに使う “It’s pouring”

という表現のように、いっぱいお湯を入れるというニュアンスになります。“Add”

とすればお湯を加えるということを表すだけで、どしゃ降りのようなイメージを連想させません。

*4  “Ready to drink” は私もそのままお借りして使いたいぐらい素晴らしい表現です。

*5  この書き方だと原文の内容を淡々と訳していて、説得力に欠ける感じがします。消費者にもっと強い印象を与えるために、指示を出すような、または直接話しかけるような書き方にしたほうがいいのではないかと思います。例えば、“To enhance the flavor, pour a small amount of hot water….” といった感じです。下線部を比べてみてください。

*6  “Burned”は火でやけどをしたときに使います。熱湯でのやけどの場合は “scalded” という言葉があります。

*7 「生豆原産国」は簡潔に “produced in” あるいは “from” で良いと思います。

*8 

ここは先に述べたような直訳を避けるべきところです。「枠外」という表現は日本製商品特有の表現で、そのまま英語にするとおかしくなります。また、

“written” は手書きのイメージがあります。“Printed” または “Shown”

の方がふさわしいと思います。実際の例を挙げると、“Printed/shown on top/bottom/side of package”

という風に表現します。ところが、スーパーで見てみるとほとんどの場合、“See” が使われていました。例えば、“See date

(printed) on package” “See top/bottom/side of package”

という表現です。もし実際にこの商品を海外に輸出する場合、外国でよく使われる書き方を真似したほうが間違いないと思います。

*9 

日本語の説明では、よく「ください」を使ってとても丁寧に消費者にお願いしています。しかし、英語の場合は消費者に直接指示を出すよう命令形を使うのが普

通です。特に、保存方法についての注意書きの場合では “Please”

はほぼ例外なく省略されます。スーパーに行けば分かりますが、「直射日光・高温・多湿」は英語ではお決まりの表現が既にあります。例えば、“Keep/

Store in a cool, dry place. Avoid direct sunlight” といった形です。そのまま使えるでしょう。

*10  ここも「枠外」が難しいですね。消費者に注意してほしいところに「!」のマークがついているので、簡単に “See above” でいいのではないかと思います。

【塾長英訳例】

Guatemala (140cc drip bag)
[ Straight ] 100% Guatemala fine-medium ground coffee
〈How to make drip coffee〉
1.Fold back 2.Open
Fold back the hooks on the bag. Open the bag by cutting along the dotted line.
3.Add hot water 4.Ready to drink
Hang the hooks on a cup and add hot water slowly. Remove the bag and enjoy.
 *For a stronger flavor, add a small quantity of hot water and wait for 20 seconds before filling the cup.
 ! Be careful of scalding when adding hot water and removing the bag.

Name Regular coffee
Ingredients Coffee beans (from Guatemala)
Quantity 10 grams
Best-before See date printed on the right
Storage Keep in a cool, dry place away from direct sunlight
Caution See above
Distributed by BROOK’S Co., Ltd.
4-54-6 Utsukushigaoka, Aoba-ku, Yokohama

実践編では、次回のテーマ(日本語例文)を宿題としてお知らせします。次回の解説をご覧いただく前に、ぜひご自身で英訳にチャレンジしてみてくださいね。

また、塾生(読者のみなさんです!)からの英訳も募集しております。お送りいただいた英訳例の中から1つを次回レッスンで取り上げさせていただこうと思います。

4月22日(水)17時までに、ぜひみなさんの英訳をメール こちらまでご提出ください。

英訳の上達のコツは、まず「自分で訳してみること」から始まりますよ!

【宿題】 

アロマテラピーの楽しみ方

エッセンシャルオイルの香りを生活の中に上手に取り入れることで素敵な空間を演出したり、気分をリフレッシュしたり工夫次第でいろいろと楽しめるものです

“エッセンシャルオイル”(精油)とは〜

植物の花・葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出した100%天然の素材で大変濃縮されているものです。

楽しみ方1.芳香浴:シンプルに香りを楽しむ

ティシュやハンカチに数滴たらしたり、アロマランプ、ディフューザーで香りを楽しむ

楽しみ方2.お風呂で楽しむ

精油をお風呂のお湯に原液で垂らすと表面に浮きやすく、お肌に直接ついてしまうこともあるので下記の使い方もおすすめです

*フローラム ニュートラルエッセンシャルバス

キャップ1杯に精油5滴を混ぜてお湯に入れるとお湯によくまざります。また重曹(約大さじ1杯)・植物油(約小さじ1杯)・ハチミツ(約大さじ1杯)・牛

乳(約カップ2分の1)などによくブレンドしてからお湯にいれる

楽しみ方3.マッサージに使用する

マッサージ用の植物油にエッセンシャルオイルを混ぜて使用します。濃度は1%からがおすすめですがお肌の敏感な方は濃度に気をつけてお使いください。

1%濃度の場合

マッサージ用植物油(キャリアオイル) 5ml+精油1滴 (0.05ml)

(例:ハンドマッサージ両手の場合 10ml+精油2滴)

■エッセンシャルオイルご使用上の注意点

1.原液をお肌に直接つけない

2.揮発性があるのでキャップは必ずしめる

3.引火性があるので火気のそばに置かない

4.精油ビンはかならず立てて置く

5.保存は直射日光のあたらない比較的温度の変化のないところがおすすめです

エッセンシャルオイルは植物から取り出されたときから品質は変化していっております。

開封されましたらできるだけ早いうちにお楽しみいただくのがおすすめです

ご使用の目安: 柑橘系の精油 開封後約半年

          その他の精油 開封後約1年

*この期間内であっても色や香りに変化があれば使用は避けましょう

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記事を書いた人

ンー・ソーキン

シンガポール出身。シンガポール大学で日本語を専攻した後、ハワイ、日本、オーストラリアの大学に通い言語学博士号を取得。その間、シンガポール大学の教壇に立ち、日本語や翻訳を教える。2005年よりフリーランス翻訳者として活躍。幅広い分野の翻訳をこなすが、今後、金融・医薬分野での翻訳に力を入れていきたいと希望。香港在住。

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