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翻訳者になるには

ハイキャリア編集部

翻訳者になるには

治験翻訳入門 -医薬品開発と治験翻訳- プロの翻訳者になるにはどうしたらいいのか?このコーナーでは翻訳者を目指す方からの疑問に翻訳コーディネーターが本音でお答えします。

翻訳者になるには?

 語学が好きで翻訳の勉強を続けながらいつか独立したいと考えている人は多いと思います。弊社にも毎月沢山の方からトライアルの希望をいただきます。プロの翻訳者になるにはどうしたらいいか?プロの翻訳者に求められている能力とは?プロの翻訳者になるにはどんな準備をしたらいいのかなど、このコーナーでは翻訳を目指す方からいただく沢山の質問にお答えします。


Q:翻訳会社のトライアルを受けたいのですが、どのような点に気を付ければいいでしょうか?

A:翻訳者を目指すなら自分がプロとして通用するだけの実力があるかどうか客観的に見極めることが重要です。多くの翻訳者が翻訳会社に登録しプロの道を歩みます。まず翻訳会社が実施しているトライアルを受けてみましょう。

トライアルを受ける場合は提出する前には必ず訳抜けがないか、数字や固有名詞が間違ってないか、誤訳がないか何度も見直して提出しましょう。何だ、そんな基本的なこと?と思われる方も多いかも知れませんが、ご提出いただくトライアルの中にはケアレスミスやどう考えても見直していないのでは?という訳がよくあります。まず誤訳や誤字脱字が一ヶ所でもあった場合にはトライアル合格は難しいと肝に銘じておきましょう。また正確に訳されているだけでなく、背景をきちんと理解してある文章で、表現力が適切で読みやすいかというのも審査の対象になります。

多くの翻訳会社がトライアルでは英語力だけではなく、リサーチ能力があるかどうかも判断しています。インターネットや電子辞書の普及で情報はいつでもどこでもアクセスできますが、膨大な情報の中でより早く、より正確に取捨選択できる力が求められています。

トライアルの原稿を受け取ったら、期限までにきちんと翻訳して送りましょう。他の仕事の関係で提出が遅れる場合には事前に翻訳会社に知らせてください。時々トライアルの原稿をお送りした途端に全く連絡が取れない方もいらっしゃいます。辞退される場合もビジネスマナーとして一言翻訳会社に連絡を入れるといいでしょう。


Q:トライアルになかなか合格できないのですが、どうすればいいでしょうか?

A:トライアルを突破するのは新人にとっては難関です。不合格になった場合は真摯にフィードバックを受け止め、次のチャンスを待ちましょう。また翻訳会社はたくさんあります。力をつけてたくさんの翻訳会社のトライアルにチャレンジしてください。


Q:トライアルに合格したらすぐに沢山の仕事をいただけるのでしょうか?

A:トライアルに合格されてもすぐに沢山の仕事が入るとは限りません。トライアルで合格されても本番で仕事を頼むと出来なかったというケースも多いため、翻訳会社は簡単なものから少しずつお願いしていきます。一つ一つの仕事を丁寧に仕上げて納品してください。「この前の翻訳者の訳がとてもよかったので今回も同じ人に頼んでください」とクライアントからご指名いただくケースも少なくありません。最初は一つの仕事が二つ、二つの仕事が四つという風に広がっていくのが翻訳の仕事です。独立される場合は当座の生活費は確保しておいたほうがいいでしょう。


Q:もう50代なのですが、翻訳者を目指すには遅すぎるでしょうか?

A:翻訳に年齢制限はなく、あくまでも実力がすべてです。いくつからでも始められるし、実力があれば年齢に関係なく長く続けられます。フリーランスの翻訳者では40代~50代の方が中心で活躍されています。また翻訳は英語力だけでなく専門知識や表現力などが高い仕事には不可欠ですので、年齢が若い方が有利ということはありません。ただ仕事によっては大量の翻訳を短納期で仕上げるので体力は必要になってきます。


Q:翻訳者を目指すに当たり、英語力以外に必要なスキルはありますか?

A:翻訳者は英語力以外に、専門知識、リサーチ力、日本語表現力が求められます。このような力を総合的に備えている人は素晴らしい翻訳力があります。


Q:人づきあいが苦手なので翻訳者を目指したいのですが。。。。。

A:確かに翻訳業務は自宅で一人で完結するものですが、クライアントや翻訳会社の要求に臨機応変に対応できるコミュニケーション能力も必要です。例えば忙しくて仕事を引き受けられない時にただ「できません」ではなく「●●日までは別件で仕事が入っていますが、●日以降は対応できます」など臨機応変なコミュニケーションを取ることにより、次の仕事に繋がります。またクライアントや翻訳会社からのフィードバックにもきちんと耳を傾け、次の仕事に生かす姿勢が必要です。


Q:翻訳がなかなか捗らず納期を守れない時はどうしたらいいでしょうか?

A:一旦正式に受けた翻訳は必ず納期を守るのが鉄則です。これはクライアントや翻訳会社との信頼関係を繋ぐためにも一番大切なことです。日ごろから自分の翻訳のペースを把握しておくいてください。翻訳者は翻訳の質の高さと同時にスピードも求められるからです。

また翻訳作業は集中力を必要としますので、自宅でも仕事専用のスペースを確保するといいでしょう。そして体調管理も仕事のうちです。在宅で仕事をする場合はどうしても時間が不規則になりがちです。体調を崩して納期が守れなかったなんてことがないよう、日ごろから最新の注意を払いましょう。それでも何らかの都合でどうしても納期が守れそうもない場合は、分かった時点でなるべく早く納品先に連絡してください。能力的または時間的に厳しいと判断した場合は翻訳を受ける前に断る勇気も必要です。


Q:翻訳者の働き方にはどんなスタイルがありますか?またどんな種類の翻訳がありますか?

A:翻訳者としての働き方は大きく分けて企業内で翻訳者として働く、翻訳会社で翻訳者として働く、在宅で翻訳者として働くの3通りがあります。

また翻訳は大きく3つのジャンルに別れています。企業で発生する契約書やマニュアルなど産業翻訳と呼ばれているもの、海外で出版された小説やビジネス書など訳す出版翻訳、そして映画やドラマを訳する映像翻訳です。


Q:翻訳者にITの知識は必要ですか?

A:現在の翻訳原稿はすべて電子メールで納品していただいております。ドキュメントもワードやエクセル、パワーポイントなどが主流ですが、これらのソフトを使いこなせるようになりましょう。


Q:翻訳の仕事は兼業できますか?

A:翻訳は引き受けた仕事の納期を守ることが大前提になりますが、それが可能であれば兼業はできると思いますし、実際に兼業で翻訳をされている方もいらっしゃいます。ただ翻訳の依頼は平日に入ることが多いので、いつでも連絡が取れる体制が必要です。また大量な翻訳を短納期で仕上げなければならない仕事も多く、兼業の場合はどれだけ臨機応変に翻訳作業に時間を割けるのかというのも考えてなければなりません。


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ハイキャリア編集部

テンナイン・コミュニケーション編集部です。
通訳、翻訳、英語教育に関する記事を幅広く発信していきます。

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