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地下には絶対潜らない

工藤浩美

テンナインヒストリー ~挑戦への軌跡~

起業当初「外に営業に出ていると万が一お客様からご依頼の電話が入っても取りこぼす」という悩みがありました。今では仕事のご依頼のほとんどはメールでいただきますが、18年前は電話での依頼も多くありました。秘書代行サービスを利用することも考えましたが、実際にスタッフが増えて自社で電話対応が出来るようになった時、電話番号を変更するのもお客様や登録者の方々に手間をかけさせてしまうので嫌でした。それに社名に合わせて1009末尾の番号を取得したかったのです。

私は1人で仕事をしていた時は、話転送サービスで乗り切りました。オフィスに電話がかかってきたら、携帯電話に転送して対応していました。

当然仕事はゼロだったので、ほとんど昼間は飛び込み営業のために外出していました。いつかかってくるか分からない電話を待っていてもしょうがないからです。ただ転送された電話は100%取りたかったので、携帯電話はバックの中ではなく常に左手に持って歩いていました。そして外出していても1つだけ守ろうと思ったことがありました。「毎日夜の10時まで地下に潜らない」ということです。外食は地下のお店には入りませんでした。万が一お客様から電話がかかってきた時に、電波が届かないところにいたくなかったんです。移動も地下鉄ではなく、バスで移動していました。

ある日朝から転送電話が鳴りました。私はバスを降りて対応しました。「プー、プー、プー」誰かが間違ってファックスを送っている音でした。電話を切ってまたバスに乗り込むも、またファックスから電話がかかってきました。オートの設定になっているらしく、何度も何度もかかってきます。その度にバスを降りて電話を取りました。

何と翌日もファックスが電話に送られてきました。あまりに頭に来た私は、電話回線をファックスに繋いで間違って送られてきたファックスを受信しました。

その宛名の会社に電話して抗議しました。「私は今真剣に仕事しているんです。このような間違いファックスで営業の邪魔をしないでください」今考えてもすごい剣幕だったと思います。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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