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人生を2度生きる

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

母によると私は小さい頃から一人遊びが好きで、頭の中で物語を作って妄想する癖があったそうです。それが大人になるにつれ自分の将来をあれこれ妄想するという癖に変化しました。常に自分の年齢より5年先、10年先を考えるようになりました。例えば20歳の時、30歳の自分を、そして30歳の時、40歳の自分のことをあれこれ妄想していました。「10年後にこうなりたい、こういうことをして過ごしたい」という願望からスタートします。妄想と呼ぶぐらいなのでかなり具体的に考えます。そして現在も、10年先までは住む場所も、大体の理想の生活も心の中で決めています。

もちろん妄想した通りに人生が進んでいった訳ではありませんでした。「未来」は10年先どころか、明日のことさえ不確定です。きっとこれから先も思い通りにならないこともたくさんあると思います。ただ妄想というか頭の中で一度シュミレーションしておくと、不測の事態に対応することが出来ます。いざという時にはいくつもの選択肢が頭に浮かぶようになりました。いつも決断が早いのを驚かれるのですが、事前にシュミレーションしているからだと思います。大げさなことを言うと、「自分が妄想している人生」と「現実の人生」を2度生きている感覚です。

また将来を考えるということは、未知の世界に想いをはせることなので、「このままで大丈夫だろうか?」と不安になることもあるでしょう。そんな気持ちに打ち勝つには「目の前のことを全力で一生懸命やる」ということだけです。目の前のことを一生懸命やっていると、いろんな選択肢が現れてきます。その都度将来の自分のために今何をするべきか考えます。いくつかの選択肢があるとして、大体の場合は一番チャレンジングな選択肢を選ぶほうが結果はいいような気がします。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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