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もっともよくされる2つの質問

ぺこたん

通訳・翻訳者リレーブログ

学生などの皆さんと、話す機会があるたび、よくされる質問が2つあります。

㈰“OOO(←具体的なミュージシャン名)って、どんな人ですか?”
㈪“音楽業界で働くには、どうすればいいですか? どういう姿勢で挑めばいいですか?”

まずは1つ目の御質問——

そういうことを知りたいという気持ち、わたしにもよ〜く分かります。しかし実は、こういうミュージシャンのプライベートや素顔といった、“裏話”のようなことを話すのは、個人的には、あまり好きではありません。そう言えば数年前、ある新聞に“楽屋話”の連載を頼まれ、お断りしたこともありましたっけ。
“あまり好きではない”…と言うよりは、正確に言えば…どうも苦手。だって、なにを話せばいいのか、どこまでなら彼等も嫌がらないか、その辺の判断ができず、“あれはどうだろう、これはどうだろう”などと、あれこれ考えている内に、話すこと自体が億劫になってしまう。

彼等やその作品のプロモーションのプラスになることなら、自分の接してきた素顔の彼等を、軽く紹介したいという思いは、なくはないのですが…。でも、だいだいわたしは、マネージメント・サイドに、直接ぴたりいる人間ではありませんし、芸能レポーターでも何でもないですから。ああ難しい〜((+_+))

ただひとつ、折々に触れ、皆さんにお伝えしているのは、この厳しい世界で生き残っているのには、それだけの理由がある…と常々感じている…ということ。それは類稀なる才能だったり、素敵な人間性だったり…。

“気難しくて大変だよ、あの人は”…と事前に忠告されるような場合でも、実際に接してみると、なんてことはない、単なる完璧主義者。音楽に対する姿勢が、人一倍厳しかったり、拘りが強かったりするだけで…。その為に、だからこそ、自分や周囲の人に対し、人一倍厳しいわけで。
それは性格が悪いとか、嫌な奴だとか、そんな低次元なこととは、まるで異なります。そうしてそれは、アーティストとしては、ごく当たり前のこと…と言うより、だからこそ“アーティスト”なわけで…。そういう面がなければ、その人はアーティストなどではなく、何か別のもの…と言うことでしょう。
ですからそれを、“気難しい”なるひと言で片付けてしまうのは、わたしとしては、どうも腑に落ちない。まあ仕事相手としては、大変なことも多々あるでしょう。はい、確かにあります。でもミュージシャンとしては、それだけ魅力に溢れたひと…と言うことなわけで。ですからむしろ、喜ばしいことだったりします。

それから、これはどうしてなのか、よくは分からないのですが、ハード・ロック&ヘヴィ・メタル・ミュージシャンに対する、世間一般のイメージと言ったら、もう…。“怖そう”とか、“暴れそう”とか、“粗野そう”…などなど。おいおい〜((+_+))
確かに、そういうイメージのステージやサウンドを演る人たちも、中にはいます。が…でも…オフではむしろ、とても大人しかったり、物凄く紳士だったり、驚くほど朴訥だったり。
例えば…長身&長髪の彼等が、畳の上で背中を丸め正座し、器用に箸を使いながら、黙々と握り寿司を摘み、味噌汁を飲む図なんて、見惚れるほどにス・テ・キ(笑)。

とにかく、嫌な印象を抱くようなひとと出会ったり、嫌な経験をしたことは、少なくともこの20数年間の中では、皆無と言ってもいいほど。ミュージシャンには、魅力的な人たちが多いですよ。どうぞ御安心を〜(^^♪

それからもう1つの御質問——

こちらに関しては、話すのが苦手…なのではなく、自分のことに関して話すことが、あまりに少なく、ですから申し訳ないな…と…。

まずは音楽業界で、通訳翻訳者になる方法ですが…。
いきなりなってしまった者は、少なくともわたしの知る限りでは、ひとりもいません。皆さん、この世界の中のどこかで、何らかの形で、数年間働いた後に、通訳翻訳者として独立しています。例えば元雑誌編集部員だったり(←わたし)、レコード会社社員だったり、プロモーターだったり。
そうして皆さん、“英語が好き”とか、“言葉の架け橋になりたい”…ということよりも何よりも、とにかく、“音楽が好きでたまらない”…という人たちばかり。

では、入口となるその会社に入るには、どうすればいいか…。
うーん。毎年定期的に学生を採用している…というところは、とても数少なく、その辺の事情や詳細に関しては、まったく分かりません。

因みにわたしの場合は(そうしてこれは、この業界では、時々聞く話でもあるのですが)、売り込みです。
と言っても、“なりたくてなりたくて、それで色々なところを廻って、でも断られ、だけどそれでも諦め切れず、アタックし続けて”…というような、長く曲がりくねった道のり、努力に努力を重ねた結果……などとはほど遠く。“愛読する雑誌編集部を、ある日ふらり訪ねたら、そこで温かく受け入れられ、とても心地好かったので、何となくそのまま居座ってしまった”…というのが真相。まるで参考にならないお話しかなく(…この辺のことは、このブログ最初の数週間などでも、少し触れているので、ここでは省略しますね)。

また、仕事に対する姿勢ですが…。
フリーになってからは、会社員だった当時よりも(…以上に)、あれこれ色々と気を遣っています(…遣っているつもり)。だってどんなに素敵な仕事や、またとない機会に恵まれたとしても、そこで失敗したら、もう次はない。そう思わなければならない世界ですから。

ですから、ひとつひとつを丁寧に、大事に、全神経を集中させ、命懸けで取り組んでいます。とにかく、愛情をもってやっています。…と言うと、凄くクサく聞こえるかも知れませんが…。でも限りなく、そんな感じであります。

それから、仕事が詰まっていたから、忙しかったから。だから大雑把で、生ぬるい上がりになってしまった…など、そんな言い訳、絶対にしたくはない。だってそれはこちらの勝手な都合、相手には何ら関係のないこと。だったら、最初から受けなければいい。
“カッコいいなぁ”と思うようなひとは、どんなに忙しくても、常に余裕のある顔をしています。

それから、楽しみながら仕事をしたい。正確に言えば、できるだけ、楽しいと思えることに取り組みたい。
“つまらないな”“苦手だな”“しんどいな”を繰り返していると、つまらないことはどんどん増えていき、それは仕事そのものにも、影響が出てきます。逆に、楽しみながらできることを、ひとつひとつ積み重ねていけば、

しいことは自然と、みるみる増えていくもの。そうしてそれは、品質の高い仕事へと、繋がっていきます。不思議なものです。

でも、ああ、こうして振り返ってみると、とにかく、あの瞬間この瞬間、なんて素敵な出会いに、恵まれてきたことか! それはわたしにとり、何よりも重く、そうして貴い。ほんと、ありがたいなぁ、幸せだなぁ…としみじみ思います。
それに比べると、自分の努力や実力や才能などは、ほんの微々たるもの。人生を劇的に左右するほどのこと…ではない気が…。

人生、やっぱり“縁”…なのですよね。

ですから、この“音楽業界で働きたいのですが”…という質問に対する答え、あるいは、“これからフリーになりたいのですが”…という方へのアドヴァイスとして、このわたしに唯一言えることは:

“縁を、何よりも大切にしてください!”
(…ずいぶん漠とした答えに聞こえる…かも知れませんが)。

その為にも、この縁がめぐってきた時、それにちゃんと気づける力だけは、常日頃もっていたい。だって縁とは、次の瞬間に消え去り、二度とめぐってはこないような、とても繊細で脆くて儚いもの…という気がするので…。

では、どうすれば、この“気づく力”が身につくのか…。
わたしには分かりません。残念ながら。でも例えば、ひとと話す、散歩をする、旅をする、風景を眺める、自然に触れる、音楽を聴く、本を読む、映画を観る、空想する、瞑想する、ボーッとする、無駄な時間を過ごす……。まあ、そんなようなことかな…と。たぶん。

でもこれ考えてみれば、仕事に限らず、人生を歩む中で、とても大切なこと…ですよね。

人生どんなことも、無駄なことなど、ひとつもなく。ひとつひとつのことには、必ず意味があり。そのひとつのことが、また次のひとつへと続く。点と点が、きれいに繋がっていく。それは、その時々には分からなくても、前へと進み、そうしてふと振り返った時、“ああ、なーんだ、そういうことだったのか”…と、その意味にきっと気づくはず。

仕事も人生も、すべてほんと、物凄く面白い!
と言うわたしも、まだまだ旅の途中、修行の身…なのであります〜(*^。^*)

Written by

記事を書いた人

ぺこたん

高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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