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Salem Witch Museum!

さるるん@ロシア

通訳・翻訳者リレーブログ

昼顔さんのブログの魔女博物館の写真に、思わず「懐かし〜!」と叫びました。私も行ったことがあるんです! 

もう20年位前の話ですが、友人二人との米国東海岸旅行中に、一日私だけ別行動を取って、グレイハウンドの日帰りバスツアーでセーラムに行きました。学生時代、ホーソーン(Nathaniel Hawthorne)が好きだったので、作家ゆかりの地セーラムを訪ねてみたかったのです。あの『緋文字』(The Scarlet Letter)の作者ホーソーンのことです。“Young Goodman Brown”など、今ではどんなストーリーだったか思い出せないような短編もいくつか読み、ホーソーンの人間のとらえ方に当時は共感を覚えたものです。小説が書かれたのは19世紀中頃。日本は江戸時代。そんな時代の作品なのに、人間の本質をついていることに驚いたというか、人間っていつの世も本質は同じなんだろうなと妙に納得したというか。

このツアー、バスガイドは同行せず、要所では運転手さんが、運転しながらいろいろ説明してくれるという方式でした。はりきって参加したのに、バスの揺れの心地よさについ眠ってしまい、気がつくと皆がバスを降り始めていました。訳がわからないまま下車したのが、セーラム魔女博物館。ツアーのメインの観光ポイントです。でも、博物館なのに、なぜか展示スペースが見あたりません。皆が館内売店を物色しているので、私もそれに倣いました。魔女グッズが結構かわいくて、つい夢中になってしまい、はたと気づくと同じバスに乗っていた一行がいない・・・。あわてて、外に飛び出したけど、バスの姿もない。私、置いて行かれたの? 

まだ、海外旅行慣れしていない頃のことだったので、大パニックでした。どうやってボストンに戻ればいいものかと、帰路の心配をしながら、あたりを見渡したところ、遠〜くに見覚えのあるバスが止まっているのを発見。ダッシュしてバスに駆け込むと、運転手さんが「あれ? 見に行かなかったの?」 聞けば、一行は博物館で魔女裁判の歴史について説明を受けているそうで・・・。閉ざされた扉の向こうに展示スペースがあったようです。結局、私がこの博物館で見たのは売店だけ。なんたる失態。ちゃんと予定を確認してから下車すべきでした。

それでも、その後、バスがセーラム税関のあたりを走ってくれたので、少し救われました。ホーソーンはこの税関に勤めていたことがあるのです。税関から眺める海。ホーソーンも見ていた景色なのかなと思いながら眺めました。

そんな思い出がよみがえった写真でした。

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記事を書いた人

さるるん@ロシア

米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。

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