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仕事に関すること、あれやこれや

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通訳・翻訳者リレーブログ

今回は、母校へ遊びに行った時などに、みなさんから受ける御質問を中心に、あれこれまとめてみました。

●初めての通訳(…もどき)体験
大学2年の時。当時毎年代々木で行なわれていた、スポーツの大イベントにて。
その後、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール、サイクリングなど、泊まりがけの地方出張も含め、多種のスポーツ大会や、メーカー開催イベントなどの簡単な通訳を経験。

●音楽業界で仕事をするきっかけ
学生生活&授業そのものが、信じられないほど退屈だった⇒なにか面白いことはないかと、日々悶々としていた⇒3年の時、愛読していた音楽雑誌の編集部に、キャンパス内からいきなり電話し、編集長を呼び出す⇒“明日編集部へ遊びにおいで”と言われる⇒お言葉に甘えて、翌日ちゃっかり遊びに行く⇒その場で簡単な翻訳の仕事を貰う⇒その後編集部に入り浸る⇒卒業後そのまま編集部に居座る。

●フリーランサーになったきっかけ
音楽雑誌編集部勤務8年目⇒もっと色々なことをやりたいと思い始める⇒会社を去る⇒現在に至る。

●仕事に不可欠な道具
インタビュー&通訳用ノート(CAMBRIDGE速記用writing pad)、閃き用メモ(MOLESKINEなど)、ボールペン(BICオレンジ・ミディアムの黒=いつもまとめ買い=これ意外に考えられない!)、パソコン(言うまでもなく)、録音ディヴァイス、iPhone、iPod、ヘッドフォン(BOSE)、イヤフォン(SHURE)。

●いとしのiPhone
愛用するようになってからは、殆ど何でもかんでも、これひとつで済ませています。予定表も毎日日記も読書日記も家計簿も、すべてこれひとつ。これまで方々に散らばっていた書きモノも、殆んどこれひとつ。外出先から原稿に手を加えるのも、これで済みますし、インタビューをしながらの時差・温度・距離などの計算も、コンバーター・アプリで瞬時に計算できるので、驚くほど便利。

●仕事の依頼
メール、たまに電話をとおして。いつもお世話になっている方や、その方々からのご紹介により。

●その時、真っ先に確認すること
内容(言うまでもなく)、〆切&原稿などの長さ(言うまでもなく)。

●インタビューに関すること
*日時の決め方: 相手サイドから指定される場合と、候補(スロット)を幾つか提示され、こちらがその中から選ぶ場合とあり。
*電話のかけ方: アーティスト・サイドから直接かかってくる場合、レーベル側から間接的にかかってくる場合、こちらからアーティスト・サイド、あるいはレーベル側にかける場合とあり。
⇒こちらからかける場合は、不安なので念の為に、バックアップ・ナンバー(マネージャーの携帯など)は、事前に必ず貰っておきます。
*アーティストの居場所: 自宅、レコーディング・スタジオ、レコード会社、マネージメント事務所、ライヴ前後の楽屋、移動中の空港内、ツアー・バスの中…など。
*こちらの居場所: 自宅の机の前。
*通常の長さ: 30分前後。

○過去もっとも長かったインタビュー: 1時間半を2日間に分けて(=計3時間!)。
○話を進める前に、真っ先に確認すること: この後もインタビューが入っているか否か。

○常に意識していること
⇒始めの挨拶:
これでそのインタビューが決まる、と言っても過言ではない。特に電話インタビューの場合は、相手の顔が見えない分、警戒心を解いたり、気持ちを和らげたりしなければならず。よって、“本日は時間を割いてくださり、ありがとうございます。これからしばらくお付き合いを”といったことを、冒頭で必ず伝えます。その日一日がインタビュー日で、アーティスト側が疲れている場合も多々あり。ですからこちらも、色々と気を遣いたいもの。
とにかく“ありがとう”と“楽しんで貰いたい”という、こちらの気持ちが伝わるようにします。その後に天気の話や、相手の国やこちら日本のことなどを軽くします。
それから、これからこの会話を録音することを告げます。これもまた、必ず伝えていること。
⇒最後の挨拶:
相手の名を口にしながら、感謝の意を伝えます(言うまでもなく)。最後まで、気持ち好く!

○インタビュー最多記録
一日に4本!
⇒夜中に一本、明け方に一本、午後に一本、夜に一本。電話の場合は、時差があるので大変であります(*_*;

○インタビュー再アレンジ最多記録
4度目の正直!
⇒某有名ラッパーとの電話インタビュー。
1度目、2度目、3度目と、“只今留守をしておりますテープ”が虚しく流れるばかり。そうして4度目のトライ。電話をした途端、御本人御登場。開口一番、“ごめんごめん、プライベートで色々とあってさ”…だと! おいおい、頼むぜ!

○↑よりも、もっとヒドかったこと
某有名ロッカーとの来日時インタビュー。
アレンジ再、再々アレンジ、再々々アレンジと、何度も滞在ホテルに足を運んだものの、ずっとゴキゲン斜め(…だったのか?)で、部屋から御出にならず、結局取材をすることができず仕舞い。

○インタビュー起こし(=原稿にする作業)
全訳の場合は、30分=約20枚の感覚。それを1日で起こす…のが理想です…が…2日近く掛かってしまう場合もあり。

○インタビューの醍醐味
ふと面白い裏話が聞けた時。どんどん脱線し、盛り上がり、“おいおい、こんなに長くなっていいのか? そんなことまで話しちゃっていいのか?”と、時計をチラチラ見つつ。それでも面白い話を引き出せた時は、ワクワクします。

○しかし…
淡々とやらなければならないものの、どうしても相性もあり(人間同士、こればかりはどうしても)。また相手のその時々の気分によっても、色々とあり…で…。

○感動した瞬間
過去に話した内容やその時のことを、細々覚えている人とのインタビュー(事前に確認しているのかも知れませんが、それでもとにかく嬉しいものです)。

○印象に残るアーティスト
ひとりふたり挙げるのは難しいくらい、魅力的な人は大勢います。

○先日実際にあったこと
約束の時間の2分前に、レーベル担当者から電話が入り。天気などの話をした後に、時間ぴったりにアーティスト御本人と交代。そのプロフェッショナルな仕事ぶりに感動。気持ちのいい取材ができました。深く感謝です。

○色々なアーティストに触れて実感すること
ベテラン・ミュージシャンの方がむしろ、こちらに気を遣ってくれる人、謙虚な人が多い。

○インタビューは緊張するか?
どんなに好きなミュージシャン

や、憧れのアーティストでも、仕事相手になったら、それはただの人。いえいえ、本当はただの人ではありません! でもこちらの仕事は、いいインタビューを行なうこと。そうして緊張していたら、いいインタビューなどできません。よって緊張はしません。しないようにしています。プラスとなるような適度な緊張感は、あった方が良いとは思いますが…。

●歌詞対訳に関すること
*方法: 英詩は、メール(ワードやデータ)または郵送で。音源も別に(データ)または郵送にて貰う。
*通常の長さ: 12曲前後。それを4日で仕上げます(=3日で完成、1日で見直し)。

○しかし…
これは原稿書き全般に言えることですが、日々同じペースで仕事が捗るわけでは、絶対になく。凄い勢いで文章が書けた翌日は、疲れ切ってまるで使いモノにならないことが多く。身体&こころは正直なもの(…などと暢気なことを言っている場合ではありませんが)。

○まずやること
一曲一曲をじっくり聴き返します。
⇒⇒そうして、一人称をどう訳すかを決めます: あたし、わたし、アタシ、私、ワタシ、あたい、アタイ、おれ、オレ、俺、ぼく、ボク、僕…。そうして口調、語尾、全体の雰囲気をどうするか。そのシンガーにより、きっちり訳し分けをします。
上記のようなこと&邦題を、レコード会社担当者と相談しながら、決めることもよくあります。

○大切にしていること
頭で考えるのではなく、こころで感じること。理屈で考えるのではなく、天使が舞い降りるのを、ひたすら待つこと。

●原稿書き全般で大切にしていること
(1) 見直し! 時間の許す限り、1晩寝かせた後に完成させる(もちろん自分も寝る!)。それにより、前日までには気づかなかったことや、感じなかったことが、はっきりと見えてきます。
(2) 文章は、短く分かり易く簡潔に。

●仕事をする上で、もっとも大切だと思うこと
縁&直観&集中力&変わらぬ想い

●仕事の合間の気分転換
旅。マウンテンバイク&カメラであちこち徘徊。買い物。読書。コーヒー飲みながらの人間観察。瞑想&妄想。

●ホッとする瞬間
長い原稿を無事書き上げた瞬間。解放されて嬉しい、けれど寂しい、でも嬉しい。その後しばらく休めることが分かっている時は、やはりホッとします。

●最近とても悲しいこと
音楽の聴き方が変わってきたこと。時代と共に物事が変わってゆくのは、止められない、やむを得ない。それは重々承知しているのですが、しかし、何でもタダで手に入れようとする感覚、実際手に入ってしまう昨今に於いて、アーティストやクリエイターに対する想い、リスペクト、想像力…そういうものが、失われてきているのを見るにつけ、なんとも言えず、虚しさや危機感さえ覚えます(・_・;)

●仕事をしていて思うこと
私生活は適当でも手抜きでも、何でもいい。そんなことで、その人の魅力が半減するわけでも、ましてや嫌になることは、まずあり得ない。しかし仕事が適当な人は、どうにもこうにも耐えられない。約束はきっちり守って欲しいし(こちらも守ります)、細かいところにまで必死で取り組み、拘り抜いて欲しい(こちらも必死で取り組みます)。

●今の自分があるのは、誰のお陰?
㈰カナダ ㈪当時の雑誌編集長

●アーティストとは…
ずば抜けた才能、半端でない個性の持ち主。物事に偏見をもたない人。物事を理詰めで考えない人。目に見えないものを信じている人。拘りをもつ人。
ひとつの世界、ひとつの表現手段に、ずっと夢中になっている人、夢中でいられる人。夢中さ加減が、半端ではない人。創作の為の努力を厭わない人、その努力が苦にならない人。その努力を可能とする才能の持ち主。
色々な意味で、自由な人。
おまけ: その創作活動を後押ししてくれる、時代や人物とのめぐり逢いに恵まれた人。

●つくづく思うこと
経験は、それがどんな経験であれ、そのひとつひとつが、未来の自分の糧になる。努力は、すればいいと言うわけではないが、経験は、そのすべてが人を裏切らない。

★★最近携わったもので、特に印象に残っている作品:
*『思いどおりに作詞ができる本』(田口俊)
⇒著名な作詞家が、作詞テクニックを綴った興味深い一冊。絶賛発売中。
*『LIGHT ON EARTH』(吉村和敏)
⇒人気風景写真家が、世界の美しい光景を切り取った力作。7月上旬発売予定。

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記事を書いた人

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高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。

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