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通訳者にとって一番大切なのは??

まめの木

通訳・翻訳者リレーブログ

語学力?通訳技術?社会的常識?事前準備??
通訳者にとって必要なことは本当に沢山ある。ある業界で高い評価を得ていても、違う分野ではまったく評価されない場合もある。同じ通訳者が同じ情熱で同じ能力で仕事をしても、お客さまによって反応はまちまちなのだ。一体、通訳者にとって『一番』大切なことってなんだろう?これについて、先日、勉強会でドイツ人の先輩通訳者が驚くべき発言をしていた。
なんと…
『服装』
なのだそうである。
彼女曰く、
『通訳者は人目にさらされる存在なので、常に服装には注意すべきです。通訳は黒子といえども、クライアントの社会的地位に合わせた服装を考えるべきです。そして、姿勢が良いこと、これも大変重要です。それなりの服装で美しい姿勢を保ち、第一声を大きな声で自信をもって発音すること。ここでお客さまの評価が決まってしまうと言っても過言ではありません。また、逆に言えば、ここさえクリアしてしまえば、途中で多少の破綻があったとしても許されるのです。』
う〜む…なかなか大胆なご発言である。彼女の真意は、同通ブースのような人から見えない場所で仕事をしていると、服装に無頓着になってだらしなくなるから気をつけよ!ということなのだが、確かに仕事の前日に、『明日は何を着て行こうかしら〜ん♪』とはあまり考えないかもしれない。十分にメモ用紙を用意したか、ボールペンのインク残量は十分か、マイ・ヘッドフォーンは入っているか、辞書や用語集にぬかりはないか、などで戦々恐々としている。服選びをしたとしても、『あそこの会議室は暑いから、インナーは軽くしなくちゃ頭に血がのぼる。』とか、『会議の前に工場見学があるから、油が付いても惜しくないスーツで、ヒールの低い滑らない靴を履いていこう。』という点に、どちらかといえば気を使う。なるほど、通訳者は技術で勝負!などと力んでばかりいないで、クライアントさんが快く思ってくださるのなら、これからは少し服装も見直すべきなのかもしれない。

でも…
『クライアントの地位に合わせた服装』って言ったって、その方がパリの一流デザイナーのオートクチュールのスーツなんか着てきてしまった日には、一体どうすればいいんだろう…!?

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記事を書いた人

まめの木

ドイツ留学後、紆余曲折を経て通翻訳者に。仕事はエンターテインメント・芸術分野から自動車・機械系までと幅広い。色々なものになりたかった、という幼少期の夢を通訳者という仕事を通じてひそかに果たしている。取柄は元気と笑顔。

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