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バレエ三昧

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 先週はバレエ三昧の1週間でした。木曜日、金曜日、土曜日と、毎晩7時から、娘が通うバレエ教室の2年に1回の発表会があったのです。公演は約2時間半ですが、6時半には会場について、化粧や衣装の準備をする必要がありました。
 木曜日は、会場の控え室でほかのお母さんとしゃべりながら待機していましたが、金曜日は娘に付き添って(出演の合間を縫って、子供も見ることができる)、土曜日は夫と一緒に、この発表会を見ました。バレエ以外に、ジャズとタップダンスもあって、変化に富んだ楽しい構成です。ちなみにチケットは有料で、このお金が発表会の様々な費用に当てられます。
 本番3日間に加え、この週の月曜日と火曜日には、同じ会場でステージリハーサルがあり、これも親が付き添う必要がありました。先生は最後の仕上げにピリピリとしていて、親の方が緊張です。
 その前の週にも、衣装やメイクをして集合写真を撮影する日や、最初のリハーサル、衣装のフック付けなどの細かい作業などもあって、時間のやりくりに忙しい思いをしました。
 こちらでは、バレエといえば、英国のロイヤルバレエメソッドが主流です。私も子供のころ、8年間バレエを習っていましたが、日本と比べると、ロイヤルバレエのカリキュラムはとてもゆっくりとしたものです。日本では、小さいころからバーでみっちりとステップを練習しますが、こちらでは4、5歳のころのレッスンは、基本の導入という感じです。トウシューズ(こちらではpoint shoesということが多い)を使い始めるのも、日本より数年遅いという感じです。
 ただ、だからといって日本よりレベルが低いということではなく、きっちりとカリキュラムが決まっていて、毎年、試験をしてグレードが上がっていくにつれて、着実にレベルが上がっていきます。5歳で娘が初めての試験を受けた時に、「ママ、いぐざむって何?」と質問されたのも懐かしい思い出です。
 先生になるためには、最終的にこの試験で、教師としての資格を正式に認定される必要があります。日本ではバレエの先生になるための資格というものはありませんが、こちらでは、ロイヤルバレエを始めとする、ダンス団体の資格や大学での芸術関係の学位やディプロマが非常に重要視されます。ピアノなどの楽器も同様です。
 いやあ、それにしても今週は大変でした。その日のパフォーマンスが終わって家に着くと、すでに10時を回っています。娘をあわてて寝かしつけ、それから、その日の終わっていない仕事に取り掛かる、という日が続きました。最終日が終わった時には、踊った本人よりも、親の私の方がぐったりでした。
 それに加えて日曜日には、ニュージーランドロイヤルバレエの「白鳥の湖」を、娘、同じくバレエを習っている娘の友人母子と見に行ってきました。ロイヤルバレエは年に3、4作を公演するので、1作は見るようにしていますが、今回が今までで一番良かったです。
 舞台や衣装が重厚なデザインで、とてもゴージャスな雰囲気。なにより、主役のオデット役の日本人(タカヤマ・ユウさん。3、4年前からロイヤルバレエで主役に選ばれている)がとても美しく、はかなげな踊りで、うっとりしました。道化師役も日本人で、なんだか踊りの精彩に欠けた王子様よりもずっと生き生きとしていて、力強いジャンプを魅せてくれました。
 ロイヤルバレエは、移民の国、NZらしく、NZ人以外の人がとても多いバレエ団ですが、それでも日本人がこうやって活躍しているのはうれしいものです。
 ということで、この日も帰宅してから仕事を夜中までやっていましたが、たまにはこうやって芸術に触れると、心がうるおいます。でもやっぱり、疲れました。バレエウィークを無事に乗り越えることができて、やれやれです。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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