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これでまた頑張れる

まめの木

通訳・翻訳者リレーブログ

先週はいいことが二つもあった。自称「小さな幸せコレクター」である超楽観的人間の私にとっては、いいことの一つや二つ、毎日必ず発見するのだが、先週出合ったエピソードには通翻訳者の仕事の疲れや悩みをスーッと溶かしてくれる何かがあった。今日は、私も含め、時には疲れてしまうこともある通翻訳者の皆さまに効果抜群の小話を二つ。

仕事で泊まったホテルでたまたま見た、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演していた漫画家、浦沢直樹氏の一言で、番組恒例の『プロフェッショナルとは…』という質問に対して。
『締め切りがあること。そして、その締め切りまでに最善の努力をする人のことじゃないかな…』
シンプルで当たり前のことなのだが、なんと説得力のある言葉だろう。しかも、気どらず驕らず。百戦錬磨を経たプロならではのさわやかさもあった。大量の翻訳を受けたときなど、終わりが見えなくて泣きべそをかきたくなるときがあるが、この言葉を思い出せば、萎えそうになる気持ちを鼓舞できるかもしれない。おこがましいかもしれないが、なんといっても「あの浦沢直樹だって、このような状況下で頑張っているんだ!」と思えば頑張れる。

二つ目は、以前会社勤めしていた時のお客さんと久しぶりにお会いして聞いたお話。この方はお坊さんで、曹洞宗のお寺に生まれながら一度お寺を出て、10年間自衛隊員を勤め、その後、自ら意志して真言宗のお坊さんになったという、変わったご経歴を持っている。
問:電車の中でご高齢の方に席を譲った時、三種類の反応があったとする。
・¥¥t「ありがとう」とお礼を言って座る。
・¥¥t何も言わずに座る。
・¥¥t何も言わず、座りもしない。
こういったリアクションがあった場合、譲った側の心の内にどのような感情が湧くだろうか?
答:何の感情も抱く必要はない。
つまり、自分から発した動機と行動は、席を譲った時点で終了しており、その動機が心からのもので、その時自分ができる精一杯の行動を取ったのなら、相手の反応がどうであれ、うろたえる必要はない、というのだ。お礼を言われれば嬉しい、言われなければ腹が立つ、無視されればかっこがつかない、というのはどれも、自分が相手に過剰な期待している証拠であり、本当に相手を思いやった上での行動ではなく、「認められたい」という色気が動機になっているからそんな感情が発生する…
なるほど、人生、そう簡単に達観できるわけではないが、こう思えば楽になることってわりとあるように思う。
このお坊さんからはこの日、こんな言葉もいただいた。

頑張ってると思っているうちはまだまだ努力が足りない。
すべての悩み・苦しみは比較の原理から発生する。

ここまでずばずば言われてしまっては、頑張るしかないでしょう。
楽しみながら頑張りますよ〜〜〜

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記事を書いた人

まめの木

ドイツ留学後、紆余曲折を経て通翻訳者に。仕事はエンターテインメント・芸術分野から自動車・機械系までと幅広い。色々なものになりたかった、という幼少期の夢を通訳者という仕事を通じてひそかに果たしている。取柄は元気と笑顔。

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